2009年にキャリアデザインを学ぶビジネスゲームを発売しました。先日、とある会社がキャリアデザインを学ぶゲームは業界初と書いていましたが、当社の方がはるかに先です(笑)
▼当時のプレスリリース
https://www.value-press.com/pressrelease/39300
私が前職時代にセールスとして数多くご発注を頂戴していた研修は、「キャリアデザイン」「目標管理」「OJT」でした。キャリアについては、キャリアカウンセラーなどの資格がありますが、「すごろく」的なゲームではライフイベントは学べても「構造」は学べないという考え方からゲーム開発をすることになりました。取り掛かったのは、創業の年の2008年の夏ですから超古参のコンテンツと言えるでしょう。(名称があったのですが、他社の商標と重なっていたため、今回は記載を控えます。)
ゲームの内容は、比較的シンプルなパラメーター割り振り型のゲームです。年度ごとに割り振られる「時間ポイント」をロバート・カッツのカッツ曲線をベースにして、獲得したい意思に基づき、時間を割り振っていきます。今でいえば、「スキル・タクソノミー」的なものがあるといえばわかりやいでしょうか。
スキルに中途半端に分散投資をしても何も得られません。一定のラインを超えると「できる」とみなされ、更に時間投資をしていくと加点要素として「極めた」として評価されます。
そして、時間が数年単位で経過します。例えば、英語などに投資して、ホウレンソウなどのスキルに投資を怠っていると、イベントで上司からお叱りを受けることになります。逆に、組織のニーズに即したスキルを獲得できている場合は、点数を得られます。
更に、テクニカルスキルの陳腐化や、コンセプチュアルスキルに多大な時間投資が必要な仕組みなど、目先の利益だけを考えていると、あとで行き詰るようになっているなど、悩ましさも満点です。例えば、30代くらいで頑張ってホウレンソウなどを学習しても「当たり前」のため、加点要素にならないのです。
ゲームとしては、一定のスキルを獲得していると、随時行われるアセスメントに合格し、昇進していけるようになっているのです。
この手の仕組みは、「人事制度はどのような仕組みになっているのか」といったことを端的に学ぶ上で有効な仕組みのため、インターネット広告や、オークションの会社などさまざまな会社でカスタマイズ導入されました。
単線型の人事制度になっている場合は、非常に有効なゲームです。
一方、キャリアの多様性のために伏線型人事が増えてきたり、グローバル化によって英語の重要性が高まるなど、元々用意していた仕組みが経年劣化したことをきっかけに販売するのを停止しました。
今回、温故知新プロジェクトで発掘されて、今の私が思ったこととしては、このゲームは「リスキリング」の必要性を理解するために活用が可能という点です。
昨今、リスキリングの必要性が高まっており、先日読んだ論文「従業員のリスキリングを効果的に実践する方法」に、5つのパラダイムシフトとして、
- リスキリングは戦略的に不可欠
- リスキリングは全リーダーとマネジャーの責任
- リスキリングはチェンジマネジメントの取り組み
- 理にかなっていれば、従業員はリスキリングを望む
- リスキリングにはさまざまな組織の協力が必要
とありました。
戦略的必要性に迫られた際に、パラメーター強化の時間投資をリーダーから迫られたという設定で、追加投資をするとどんな世界になるのでしょうか。そうしたゲーム開発も面白いと感じました。
関連リンク
カテゴリー: コラム総合 ,代表コラム ,当社の経営を考える ,過去のゲーム
公開日: 2024年1月25日