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ビジネスゲームは、ビジネスを直接的・間接的に疑似体験できるゲームを指します。当社ではビジネスゲームを大きく3つのカテゴリーに分けています。
1つ目は「経営シミュレーション」、2つ目が「コミュニケーション」、3つ目が「態度変容」です。経営シミュレーションやコミュニケーションゲームはイメージがつきやすいでしょう。ところが、3つのカテゴリーの中で、「態度変容」が最も理解しにくいようです。ここではビジネスゲームの用途の中でも、特に「態度変容」や、それと関連の深い「意識改革」「重要性認知」について説明します。
「態度変容」は、誤解の多いカテゴリーです。多くの人は自分の態度を他人に変えてほしいとは思っておらず、ありのままの自分でいたいと思っています。なので、態度を「変容」するとか、意識を「改革」するとかいうと抵抗感が強く、例えば、マインドコントロール的なことや、スパルタ教育といったものをイメージする方も多いのが実際です。
一方、多くの会社が従業員に「変わってもらって」成果を出したいと思ってらっしゃるでしょう。しかし、自分を変えることは容易でも、他者を変えるのはそうそううまくはいきません。
そのため態度や意識、また、その結果である行動を変えるには、
ちなみにビジネスゲームを使って行う「態度変容」は一切マインドコントロールとは関係がありません。
行動の一歩手前には何があるのでしょうか。行動につながる原因と考えられているものは、様々あります。例えば、マザーテレサの言葉が有名でこの言葉では、「行動」の手前に「言葉」「思考」を位置づけています。
思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。行動に気をつけなさい、いつかそれは習慣になるから。習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。
もちろん、人の心は複雑です。マザーテレサの言葉が必ずしも正しいとは限りません。出来事があって、それがどう行動に反映されるかには「信念」が関係する と考える人もいます。また、人は意志の力だけではなく、「きっかけ(トリガー)」がなければ行動しない という考え方もあります。
これらを複合的に考えていくと、最終的には、新カークパトリックモデルに帰結します。新カークパトリックモデルは、学習活動に参加できていて、学習内容を使う場面があり、使いたいと思っていて、使える自信があること等の積として、研修への反応と学習の成果を捉えています。この成果が行動の前提となります。この考え方では、「場面」が「きっかけ(トリガー)」となりますし、「使いたい」という意志も包含しています。 そして、上記の成果の積となる要素の中で、本人の意志という操作不能なもの、場面という操作不能なもの以外に、操作可能なものがあります。それは「重要性認知」です。
カークパトリックモデルについての詳しいコラムはこちら↓
新しい基準でゲーム研修の評価をしてみて震えた話
カークパトリックモデルが更新されていた!
重要性認知は聞きなれない言葉でしょう。「重要性認知」は文字通り重要性を認知することです。重要性認知は、知識に属すのでもなく、スキルに属すのでもなく、態度に属します。
重要性認知は、態度の一要素です。重要性を認知することで、「やらなきゃ」という意識や意志に影響を与え、表面的に態度として表れます。
態度の変容とは何を表すのかを説明したいと思います。「態度が変容した」というのは例えば、「粗暴な振る舞いばかりしていた人が翌日になってしおらしい姿になった」といったものです。こうしたものは、態度が変わったと言えなくはないのですが、決して研修を1日やったりするぐらいで得られる成果ではありません。人は、病気・戦争・投獄でしか変わらないという考え方もあるように、大きなショックを与えることはできないですし、冒頭に書いたように、もしこうした見た目の変化を態度の変容とし、こうしたものを期待するのであれば、例えば山籠りをしてとか自己否定を繰り返しみたいなカルト系の研修を受ける方がまだマシですが、効果は保証致しません。
態度を簡単に変えるのは困難です。しかし、重要性であれば認知させられます。ただし、「重要だ」と連呼して重要性が認識されることはありません。なので、講義型では難しいのです。
講義型は、事実の伝達を行う「導管型」の教授法です。そして、例えば、映像教材などもイメージが伝わりやすいでしょうけれども、あくまでも本人の解釈に委ねられます。例えば、研修では「八甲田山の雪中行軍」の話題が出ることがありますが、あの映像においては、雪山において突然服を脱ぎ始める異常行動がホラーストーリーとして機能しています。単なる映像ではなく、ショックを与える映像だといえます。よく運転免許センターで放送されている映像も事故や遺族の言葉などのショックを与える映像です。大きなショックを一度与えて人を変える方法は、あまり健全ではありません。
こうした映像を見る主体は、客観的に映像を見ます。ただし、ゲームはそうではありません。架空の場面ではありますが、主観的に捉え、参加します。ここにおける軽微な刺激の積み重ねが、重要性の認知につながります。
つまり、実際にやってみたがうまくいかない、やり方を変えたらうまく行った、うまくいったやり方をもう一度試したらまたうまくいった、といった手続きを経て、人は「素朴理論(フォークセオリー)」を紡ぎ出します。
こうなると、「自分で考えた理論」となります。自分の考えた理論には、確証バイアスが働くため、強固です。こうなれば、その後の職場での適用は時間の問題でしょう。
「態度変容」「重要性認知」「意識改革」は、どのようなビジネス上の結果を導き出してくれるのでしょうか。
例えば、当社が提供しているモチベーションマジックは、認知を扱うゲームです。このゲームでは同じものを見て、それに対して複数の観点から違った認知を行います。出来事自体が変わることはありませんが、同じものを見ながら、それを何度も違う角度から見直すことで、「捉え方を変える」というスタンスが重要で、かつ結果として気持ちが変わるという印象を持ってもらえます。やった結果、重要と分かり、それがビジネスの成果につながることは見えたのではないでしょうか。