コンテンツには作者の想いが入る | ビジネスゲーム研修で人材育成を内製化 | カレイドソリューションズ

代表コラム

COLUMN

コンテンツには作者の想いが入る

日経新聞の朝刊に、金融危機後のビジネススクールという特集がありました。ケースメソッド中心から、徐々にフィールドサーベイ・ゲーム、コーチングなどにシフトしてきているらしいです。ハーバード式から変化が見られるということのようですが、金融危機後というテーマで書かれているということは、ケースメソッドで学ぶと、今回の金融危機を産み出すようなあたえられた枠組みの中でギャップを見つけ、そこに対してだけのソリューション、すなわち部分最適を考えがちになってしまうということなのでしょうか。考えさせられます。

弊社のコンテンツの共通点

先日、弊社のビジネスゲームコンテンツをよく知る方から一言。

「高橋さんのコンテンツって、全部共通する考え方があるよね。」

といわれました。どんな考え方が共通するかと聞くと、

「3つかな、1つは分散。どこか1つに力を集中すると勝てないようになってる。」

確かにそうだ。私はリスク分散を大切に考えている。特に経営という活動をよちよち歩きしながら、資源の配分を考える中で、最高の結果を出すには、経営資源の適切な分配をしなければいけないと日々煩悶するようになっている。

「もう1つは、全体最適。時間軸だったり、組織だったり、味付けはいつも違うけど、どこか1箇所を良くしようと思うと、他が徐々に歪んでいったりする仕組みになっていて、そこに最大のジレンマがある。」

うーん、慧眼。ギャップアプローチよりも、システムシンキングとかTOCが好きなのも、こういう価値観があるからかもしれない。

「もう1つは、理念かな。金を稼ぐことだけではなくて、理念を守っていないと、最後にしっぺ返しがある。」

・・・確かにそうです。 最近、パートナーシップ・マネジメントという本を読み、その中にも記載があって強く共感したのですが、理念を共有していない人とは、相手がどんなすごい人でも、そのときどきで金銭的に儲かると思っても一緒にやると最後は不幸な結果になってしまうんですよね。色々と失敗経験も豊富なので、理念というのをいつも大切に考えているのですが、この失敗経験も、コンテンツにきちんと盛込まれていることを再認識しました。

具体的にどのコンテンツがそうなんだろう?

フロンティアというキャリアのゲームは、スキルに偏りがでると、一時は成果があがるけれど、その成功体験にしばられると、あとで成果が出なくなる。利益に貢献しないからと言って、コンプライアンスをおろそかにするとあとでしっぺ返しがある。

トナリノココロというコミュニケーションのビジネスゲームは、自分のところばかり考えていると、隣のテーブルの人達の行き場がなくなって、解決に時間がかかるようになっている。自分の利益を追求し、裏切りを行なうと、後で評価されなくなってしまう。

お蔵入りになりつつあるファームベルトというCSRのゲームも、自分の利益を考えて農薬を使いすぎると土地がだめになっていって、全体としてはマイナスになると言う経済学の共有地の悲劇という考え方をいれている。

以前某社向けにつくったゲームもそうだ。リスクをコントロールすることが肝になっているし、会社として取るべきでないリスクを取ると、大きく負けるようになっている。

見えてきたこと

このことによる気付きは2点。

  1. 自分の大事にしているのは、「分散」「視野を広く持つ」「理念を大事にする」。
  2.  

  3. 自分の大事にしている部分をコンテンツ化するだけではコンテンツに幅がなくなってしまうかもしれない。他者の大切にする価値観を色々な方との対話を通じて学び取っていく必要がある。

 
うーん、日々勉強ですね。まだまだ自分の価値観には、拡げる余地があると感じました。

余談ですが、もう一つ思ったこととして、研修講師は、思想の伝達者なんだなと思いました。思想が合致しないのに、思想が色濃くでる研修という場を任せることはやや怖い。やっぱり社内講師は思想がある程度合致しているから安心感があるんだなと思いました。

人気のコラムBEST5

コラム カテゴリー別

コラム 年別アーカイブ