農地ジレンマゲーム「ファームベルト」の発掘 | ビジネスゲーム研修で人材育成を内製化 | カレイドソリューションズ

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農地ジレンマゲーム「ファームベルト」の発掘【温故知新PJT】

創業前の2006年頃に、とある生産者の方とお話しする機会があり、その時に「無農薬野菜が農薬の野菜よりも売れないために持続しない」という話を伺いました。この仕組みを詳しく伺っていくと、システム思考でいう「共有地の悲劇/コモンズの悲劇」と強く重なるところがあります。

共有地の悲劇とは…全員でリソースを共有していて、その利用を制限することにインセンティブが働かないために、例えば「水産業における漁場の枯渇」「林業における樹木の枯渇」といったことが起こるものです。

比較的、分かりやすいテーマなので、社会起業系の方にも人気ですし、CSR研修で使われることもあります。システム思考につよい会社様では水産業をテーマにしたものもあるのを2014年頃に知りました。

この問題意識があったので、創業年(2008年)の時間があったころに「共有地の悲劇」をテーマとした「ファームベルト」というビジネスゲームをリリースしました。

ゲームは1-8期まであり、農地を運営するのですが、持続可能な状態を保ちつつ、「一般野菜」と「有機野菜」のいずれを栽培するか、「環境支援」に投資するか否か、を選択しつつ、所持金最大を目指していく3-4名用、90分程度のゲームです。

設定は以下のようになっています。

あなた方は、農地復興を得意とする会社から代表してA市にやってきた会社員です。A市一帯の農地は、農薬の影響で農薬残留度が高く、危機的な環境です。そこでA市長は、あなた方にとある農地を共同運営してもらい、一番上手く運営できた一社にA市一帯の農地運営権を与えることにしました。A市一帯の農地運営権を得るのはどの会社でしょうか。

このゲーム、お金の儲かる一般野菜を作るために、どんどん土壌が農薬まみれになっていくのが本当に面白いゲームで環境が危機的になってからでは手遅れなのですが、手遅れのタイミングでしか誰もアクションを起こそうとしないというのが、学びのポイントとしてとてもソリッドだと思います。

本ゲームは、当社の経営戦略上、やや異色なカテゴリだったため、一度ホームページから下げて、その後、「農地ジレンマゲーム」と名前を変えて、ゲームシステムをボードゲーム化しようと2回の改修を行っている途中で、多忙になり、そのままになってしまいました。初回改修分までは完成品が存在しているという変わり種です。

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