昨年、「トナリノココロ」というビジネスゲームを少人数でできないかという依頼を立て続けに受けていた時期がありました。
私は創業来、ドイツのゲームを研究しているのですが、向こうだと大がかりなボードゲームを後にカードゲーム化するという試みが良く見られます。この観点で、12名以上と大がかりだった「トナリノココロ」を、分解し、再構築を試みました。
トナリノココロの中で残したかった要素は何かというのを一旦整理し、
- 一つのテーマについて話し合い、問題解決策を考える
- 結果にフィードバックが与えられること
- 考えて自分なりの答を出すこと
- 個人戦であること
- フィードバックとともに、得点が得られること
に整理しました。
これ以外の要素は捨象しました。
なぜなら、これがトナリノココロのコアであると考えたからです。
仕様が少人数なので、泣く泣くワールドカフェ的要素は切り捨てました。イニシアチブストーンも切り捨てたのは、賛否ありますが、考えていく中で、対話性が低く、逆に思考系のコンテンツになる気配が感じられたので、こちらも泣く泣く切り捨てました。
そして、このままコンテンツ化したのでは、芸がありません。
なので、新しく「世界観」を加えようと考えました。加えた世界観は、「昔話」です。
体験会でトナリノココロを受講された方はご存じかと思いますが、なんとなくほのぼのとした音楽がかかっています。あれは、有名な物語のテーマソングなのですが、そこから着想して、昔話の世界観にしました。
その結果、シンプルなルールの全く異なるビジネスゲームコンテンツ「解決昔話」ができあがりました。結果として、採用向けのコンテンツになってしまったので、研修としてのパッケージ化は見送りました(2014年より当社で販売することになりました。)が、1つの面白い開発事例となりました。こういう発想でコンテンツを作ることもできるのです。最近、本当に制約条件を楽しむというスタンスが身についてきて、ものを作るということが、どんどんと意欲につながってきています。
カテゴリー: コラム総合 ,トナリノココロ ,ビジネスゲーム考 ,代表コラム
公開日: 2011年2月17日