今回は、顧客価値を見つけることで、マンネリを解消し、エンゲージメントを高める具体的な施策について書きます。当社では価値発見ツール「かちかち山」というツールでこれを実現していますので、まずは簡単にかちかち山を紹介します。
かちかち山と、その名前の由来
かちかち山は、みなさんご存じの日本の昔話から採用したツール名です。文字通り、価値を扱うのですが、いわゆる「価値観」だけではなく、2つの価値を扱っている点が特徴的です。
一つ目の「かち」は「価値観」、二つ目の「かち」は「提供/顧客価値」を指します。両者は同じように見えて違い、違うように見えて根っこは同じです。この両者を結び付けるという意図で開発し、当時はこの2者をつなげる考え方がイノベーションでした(すぐに模倣されてしまいました(笑))。
「価値観を考えましょう」「どんな価値を提供できていますか」といっても、価値を言語化するのはなかなかに難しく、出てきにくいものです。このツールを使うことで、価値観や、自分たちの提供している価値、ひいては顧客が受け取っている価値が無理せず自然に導かれるようになっています。出てこないものが山のようにこんもりと出てきてすっきりすることを表すために「かちかち”山”」という名称なのです。ロゴをご覧いただけると、フォントが一本につながっているのをご覧いただけるのではないかと思います。
かちかち山がマンネリ解消のツールとして用途開発された背景にはエンゲージメントサーベイがあった
さて、研修ツールは、リリースして時間が経つと実績が増え、用途開発がなされていきます。先日、「なぜマンネリに関する研修相談が増えているのか」を書いたのですが、マンネリに対応するために「かちかち山」を用いるケースが増えています。
とあるBtoBの会社ではエンゲージメントサーベイの結果、自社のやっている仕事に誇りが持てない、自分の仕事に誇りが持てない、自分たちの作っているものが世の中のどう役に立っているか分からないという声が最多であることが分かりました。また、別なサービス業では、日々同じことの繰り返しで、作業の意義が見いだせないということもありました。
マンネリに研修会社はどう対応している
こうした「現象」面に対して、さまざまな研修会社がさまざまなソリューションを提供できます。例えば、カンフル剤のように一時的にモチベーションをあげようと自己啓発的な取り組みを提案する会社もあれば、「パーパス」だということでパーパスへの意識付けをする研修を提案する会社もあれば、「仕事の全体像が見えた方が良い」ということで経営シミュレーションを提案する会社もあるでしょう。
マンネリに対する当社のソリューション
当社も複数のアプローチでこの現象へのソリューションを提案できますが、今回は「かちかち山」を用いたソリューションを紹介します。短時間で、価値観ではなく「提供価値・顧客価値」の側だけを使うソリューションです。
本ツールは前述のとおり、提供価値や顧客価値を発見できるツールです。発見という言葉を使っている通り、検討ではなく、複数のカードから見つけ出すという探索活動でいくつかのものに絞り込んでいきます。この状態では、弊社のパッケージ品の言葉でしかありませんから、その後、それを演繹的に広げて、自分たちの言葉に変えていくとどうなるか。自分や自分たちが提供している価値はこういうものだ、お客さまがわざわざ自分や自分たちから買っている理由はこうしたものだったんだ、というものを自分の言葉とすることができます。
参加者の反応
実施をすると「考えたこともなかった」と言われます。マーケティングの仕事などをしていると、こうしたことは日々考えていますが、そうでない場合は、研修の場でもない限り、検討しようとも思わないし、それが必要だとも思わないのだと思います。
ただ、こうしたことを考えることで、自分の会社、自分の仕事に誇りが持てる。また、顧客の価値を認識したことで「的外れ」な応答が減る効果も期待できます。例えば、「真実の瞬間(Moment of Truth)」というスカンジナビア航空のヤン・カールソンが提唱した概念があります。顧客が価値判断をする瞬間のことですが、顧客は大体はじめの15秒くらいで相手の価値を判断すると考えます。そうしたときに、自分がやっている活動が顧客の価値をどう満たせるかを分かっている社員が多ければ、結果は雲泥の差になります。
もし、ご興味がありましたら、是非弊社までお問い合わせくださいませ。
より理解を深めるには
以前、「顧客価値を原点とするトレンド変化」というコラムを書きました。
2018年に「かちかち山」を開発し、その際に価値観やジョブ理論、顧客価値/提供価値、バリュープロポジションなどの比較的新しい概念を渉猟した際の発見を書いたものです。その後、ウェビナー「エンゲージメントにつながる「顧客価値」の理解とは」も開催しました。
PS.余談ですが、「パーパス」についても以前コラム「わかりそうでわからないパーパスについて」を書いておりますので、お時間あればご覧ください。
公開日: 2024年11月28日