コーヒーブレイクを開発している時、コーヒーブレイクは、営業向けのシンプルなゲームにしようと決めていました。しかし、人間の発想とは妙なもので、何かを決めると、もやもやと枠からはみ出したい欲求がでてきます。
「このゲーム、もっと戦略的にできるんじゃないの?」
頭をもたげたこの問いに対して、色々と考えました。
大きく分けて、4点です。
- 戦略の多様性
- 手番のマネジメント
- 交渉
- 運の要素
①戦略の多様性
コーヒーブレイクは、「タクティクス(スペシャルカード)」というものが2つあります。
1つはパート。お金を払って、固定費を下げ、変動費を上げます。
もう1つは社用車。お金を払って、固定費を上げ、変動費を下げます。
これにバリエーションを持たせたかった。
そこで、大きく分けて5種類の戦略カードを用意しました。
- 競合に勝ちやすくなる(3種類)
- 行動に再チャレンジできる(1種類)
- 売上を増やせる(1種類)
これで、勝ち方の多様性がでてきました。
この戦略カードをお金を出して買うことで、勝利条件である、お金の最大化からは遠のくのですが、後から回収ができるようになり、勝ちやすくなるのです。
②手番のマネジメント
コーヒーブレイクは、「同時進行ゲーム」です。
これだと、行動力勝負になり、制約条件は「時間」となるのは明らかです。
一般的に戦略をじっくり考えるタイプのゲームは、「交互進行ゲーム」といわれる、将棋のようなゲームです。
そこで、交互進行できるゲームにデザインを決めました。
ただ、完全に交互というのも面白くありません。
よくボードゲームなどで採用されている、「勝っている、もしくは負けている人から行動できる」という「手番のマネジメント」の仕組みを取り入れてみました。
「負けている人から先に席に座れる、勝っている人から先に市場からものを買える」という仕組みです。
これで、負けている人も交渉材料が生まれてきました。自分の手番を売却できるのです。逆に勝っている人は、負けている人にどんな行動をしたのかを知られてしまうようになり、易々と勝てるゲームではなくなりました。
③交渉
今、ちらりと交渉材料という単語がでてきましたが、このゲームは、作っている途中でとても有機的なゲームだと考えるようになりました。
手番のマネジメントが概念として登場したことによって、交渉することで自社の状況をいかようにでもできるのです。時には弱者連合が成立し、強者を蹴落とします。
当時、「プラットフォーム戦略」「キーストーン戦略」などのコンセプトに興味を持っていたこともあり、交渉する「合従連衡」して、常に勝者が移り変わるような戦略ゲームになりました。
伴い、交渉でお金を得たり、失ったりということも生まれたのです。
④最後に、運の要素です。
以前から書いていますが、運の要素がないと、地頭勝負になってしまいます。
ただ、コーヒーブレイクと同じでは芸がない。
なので、「サイコロ」を使おうと決めました。
サイコロの目によって、勝敗が決まるのです。但し、その目は、戦略カードでどんどん補正されていきます。
売上の上限はフィックスしたので、お金をかけすぎても、勝てません。
そして、サイコロを使うと決めたときに、ゲーム名が降りてきました。
「para-dice」です。「paradise」ではなく。
ブースでは、平行(pallarel)して、(サイコロ)diceが振られます。
その世界を太陽と海の世界観でゲームにしました。
わたし、今は真っ白ですが、若い頃は海でアルバイトをするくらい海好きですので、ある意味私の海に行きたい願望が乗っかったコンテンツになっています(笑)
このコンテンツについては、まだまだこれからという感じではありますが、将来が楽しみな戦略ゲームです。
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公開日: 2011年2月17日