成長が期待される人材への指示命令-教える技術(4)- | ビジネスゲーム研修で研修内製化を支援|カレイドソリューションズ

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成長が期待される人材への指示命令-教える技術(4)-

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前回は、指示命令には段階があるという話題を書きました。今回は、対象によって異なる指示について書きます。

成長が期待される人材とそうでない人材への指示は違う

人を雇用することの一面を切り取ると、自分でやるのでは実現できないことを、指示することで効率を上げてできるようにすることでもあります。箸の上げ下げまで指示する説明したり業務設計をしている時間で終わるような仕事はそもそも自分でやった方が早いですから、頼めなくなります。更に、指示待ちに阿ることは、ある意味でプログラムを書くことですから、上司の負荷だけが増え、自分の頭で考えなくてもよいという認識の強い人を増やすことにつながってしまいます。

成長を期待されている人材は、できない、やったことのない仕事をアサインされて、粒度の高い発信の中で、自分で思考することを促されます。逆に、成長を期待されていない人材は、できる、やったことのある仕事をアサインされて、明確な発信の中で、自分で思考せずに作業することを促されます。この両者の天秤の中で誰もが仕事をするのです。

いわゆる「丁寧に教えましょう」ばかりに慣れてしまうと、組織には後者しか残らなくなります。それではよくない。だから、発信にはパターンがあることを意識できるような枠組みが必要になるのです。

当社は「それいけ!ソンタック」という情報受発信に関する研修を開発しました。その際に、「発信パターン」というのを6つのレベルに分けて整理しています。6つのレベルを相手方の受信力に応じて選択するものです。みなさんも、この人には細かく言わないと伝わらないとか、この人は自分で聞いてくるからざっくりした指示で大丈夫といった人による違いを感じることもあるでしょう。そう、指示命令といっても、表現方法によってさまざまなものがあるのです。

指示命令の方法によって、上司・部下それぞれにストレスがかかる

発信側から見てみましょう。
相手方の情報の受信力が高ければ、発信側のストレスは少なくなります。
逆に相手方の情報の受信力が低ければ発信側のストレスは高くなります。

今度は受信側から見てみましょう。
相手方の発信があいまいで理解できなければストレスは高くなりますし、逆に明確すぎて煩わしい場合もストレスは高くなります。

この発信パターンのレベルは、ある意味でストレスレベルとも言え、ハラスメント発生のメカニズムとも関連しています。曖昧な指示には自由度があるので、ストレスは低めですが、それが伝わらないことが繰り返されると、徐々に上司から見て面倒な細かい指示を求められるハイメンテナンスな相手となってしまい、ストレスが高まるか、「諦め」が発生します。このいずれの場合も、ハラスメントのエスカレーションと密接に関連しています。

指示命令のあり方を上司も部下も考える場を設けることで副次的効果として職場風土が変わるかもしれません。

2022年11月9日に下書きしたものです。

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