ビジネスゲーム研修を販売する側になると、必ず一度躓くことがあります。
それは・・・
「ゲーム内容を説明しないと販売できない」
という点です。
ビジネスゲームは、総合学習で、幅広い学びがあるものですし、複雑なゲーム内容を口頭で表現するというのは、開発者の私であっても容易なことではありません。かといって、「やってみましょう!」」と気軽に話をするほど、頻繁に体験会もできませんので、結局販売できないといわれることが多いのです。
では、果たして本当にビジネスゲームの内容が分からないとビジネスゲームは買ってもらえないのでしょうか?
私はこれまで3年以上ビジネスゲーム中心で食べてきていて、必ずしもそうではないと感じています。
ビジネスゲーム研修は、その名前からゲームが中心に位置づけられがちなのですが、実はその本質は、ゲームそのものではなく、「振り返り」にあることが多いです。
逆に言えば、振り返りさえ充実していれば、「振り返れるような現象が発生するものであれば、どのようなものでも構わない」のかもしれません。
なので、作り手としては、1.きちんと振り返れるような現象が発生するか、2.振り返りはどうするか、の2点を突き詰めます。(たまに、「楽しいゲームで懇親さえできればよい」というものがありますので、それは除きます。)ゲーム作りをする中で、楽しさの追及に向いてしまうことがありますが、実はそうでもないのです。
これを踏まえると、きちんと「振り返れることの証明」ができれば、ゲームそれ自体の説明は不十分でも、多くの場合、納得いただき、購入いただけたりします。
ゲームの内容を話せば話すほど、逆に売れないという現象があって、本当に面白いと感じます。
追記:そもそも、研修を販売している方々は、見えないものを販売しています。彼らは多くの場合、コンセプトを説明することで販売できてしまう高い営業力の持ち主で、体験会などしなくても売れてしまうのですが、「ゲーム」という形が伴うと、途端に物売りになってしまうところがあって、これも面白いところです。よく、有形のものを売る人が無形のものを売るのは苦労するということがあるのですが、逆もそうなんですよね。面白いです。
カテゴリー: ビジネスゲーム考
公開日: 2012年3月31日