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「私は不幸だ」と思わないために

最近、キングジムのデジタルメモ「ポメラ」 というものを買いました。

メモしかできないパソコンみたいなものなのですが、「2秒」で立ち上がるので、とても便利で、外出の合間などにコラム書きや議事録書きなどにとても活用できています。

パソコンにあった、表計算やネットなど、一見必要と思われる機能を全てエリミネイトした結果、ヒットしているとか。新しい日本のブルーオーシャン戦略として、定番になりそうです。

以前「“キャリア”を財務の用語で説明してみる」の冒頭で、

  • よいところをみる

ことを書きました。

ある日、そんな話をしていたときに、「価値観がそういう風に変わるきっかけは?」と聞かれ、ふと「なんでだったかな?」と考えてしまいました。

その日に帰宅したあと、内省モードにはいったのですが、自分の経験でいうと3つあるなと思いました。

  • よいところをみることで具体的に成功すること
  • よいところをみることで具体的に成功している他者事例をみること
  • よいところをみることで得られた成功が継続すること

他利が自利につながるということがいわれると思うのですが、よいところをみるということは、それだけではなくて、すごく価値があると思うんです。

これは、対人関係に限らないので、例えば、営業で話をすると、どの営業マンにも売れないと思われた商品やコンテンツがあったとします。売れないとみなが思うものほどチャンスです。逆に「もしかして、この商品が存在するということは、自分が気付かないだけで、実は欲しているお客さんがいるんじゃないか」と考えることが実はとっても大切で、かつ価値を持てる可能性があるんです。

誰でもできそうなことを成し遂げたときよりも、誰にもできなそうなことをしたときのほうが、嬉しかったりしませんか?そういうチャンスは、なかなか落ちてなくて、逆バリをすると見つかったりします。例えば、「この商品は万人受けはしない」と感じたときに、「でも、このターゲット層ならいける」と思って、展開するのか、それとも、「これは売れないな」とあきらめるのかの違いです。

よいやり方は、すぐに組織で共有されて、組織の知に転換されてしまうのですが、無を有にした経験があるのは自分だけですので、他の人には再現ができません。ここで、ああ、誰にでもできることをやったのね、と自分を低く評価するか、自分にしかできないことをやったと高く評価するかは、大きな違いです。

よくできたソリューションというものには、どれも共通したところがある。それは、どれもごく当たり前のことで、最初から分かっていそうなものだということだ。しかし、それに気付くのは、いつもソリューションが出来上がってからのこと。ソリューションを完成させて、いつもなぜこんな当たり前のことにもっと早く気付かなかったのだろう、こんなに時間を無駄にしてしまったとがっかりするのが常なのだ。

「ザ・チョイス―複雑さに惑わされるな! P135 エリヤフ・ゴールドラット 」

別な例をあげてみます。例えば、売りやすい商品の売り方をロープレで学んだとします。このやり方で売っても、短期的には良いかもしれませんが、誰でもできるスキルにすぎません。こういうスキルは、陳腐化リスクが高いんです。

同じスキルであれば、若い人ほど価値が高いので、同じやり方をしていると、時間とともに価値が下がっていきます。エッジがたたないやり方は、新しいスキルを獲得するために努力し続けて行かないといけません。いつか疲れてしまう日が訪れます。また、やり方を示してくれる人がいなくなり、自分がやりかたを示す立場になると、途端にパフォーマンスがあがらなくなります。よいところを見るという意識を持っていれば、他人にできないやり方が見つかり、エッジがたちあがり、パフォーマンスを出し続けることができます。世の中には意外と専門家というのは多くないですし、研究者は実業界には中々でてこないので、比較的容易にエッジをたたせることができるように思います。

そして、ポイントになるのが3つ目の「継続すること」です。一度成功しても、自分が「よいところをみた」ことが原因とは気付きません。また、他人が成功しているのをみても、原因には気付きにくいものです。結果が変わることが継続すると初めて意識した行動ができるようになります。

とある方から、「なかなかいい商品がない」といわれ、相談に乗っていたのですが、あれが悪い、これが悪いと、ものすごく細かい点ばかりを指摘していました。

「もしかしたら・・・」と思って、私が思う「これは絶対によい」と思うもの(冒頭のポメラです。)を見せてみたのですが、やはり同じように、「あそこが悪い、ここが悪い」という指摘をされました。

その商品は、買ったばかりで、自分の中で絶対的に、「よい」と評価していましたし、ネットの評判なども上々の商品でした。少し残念な気持ちになりながら、聞いてみました。

「逆によいと思う点はありますか?」
「・・・」

これでかなり合点したのですが、悪い点ばかりを見つめているとよい点に気付かないのです。結果として悪いものばかりが目に付くようになってしまい、

  • 「世の中にはよいものがない」
  • 「よいものに出会えない私は不幸だ」

というような思考になってしまうんです。

最後によいところをみることの効果ですが、

「前向きになれる」

ということかなと思います。

前向きだと、何かが生まれてきそうな気になることも多いですよね。

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