営業の「べからず」 | ビジネスゲーム研修で人材育成を内製化 | カレイドソリューションズ

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営業の「べからず」

5月のことなのですが、パートナーと、営業(人的販売)の意味について考えました。その時のメモをちょっと膨らまして書いてみます。

営業をやんわり定義する

営業は、その幅を広くとったり狭くとったりで、本当に色々と定義できるので悩ましいですが、ビジネスサイクルの中で「モノを売る」活動が営業であるという部分には異論はないのではないでしょうか。(※「売る」をレトリックで固めて違う言葉で言いたい人もたまにいますがどのような言い方で言ったところで「売る」ことができなければ話にならないので、こう断言してしまいます。)

で、「売る」って何でしょうか。

あらゆる活動は、

「物事をAという状態から、Bという状態に移行させる」

というものですが、では、「売る」という活動は、どのように状態が変化するのでしょうか。

それは、「売れない」状態を「売れる」状態に変化させることかなと思います。(人的販売に限らず、マーケティングも含まれるのですが、人的販売はマーケティング活動の一環です。)

つまり、営業(人的販売)という行為は、「売れない」を「売れる」ようにする活動といってもよいのかもしれません。言い換えると、勝手に売れていく状態にないから、人を介して売れていく状態を作るということです。

営業の接触時間って、本当に成果と相関があるのかな

よく、営業は訪問回数と客先での滞在時間が増えれば増えるほど、売上があがると言われます。しかし、この説は、「営業は顧客に対してポジティブな印象を与えている」という暗黙の了解の上になりたっています。

実は、この暗黙の了解は非常に脆いものなのではないでしょうか。自社の商品を知らなかったり、業界知識などを全く持たない営業マンが顧客を繰り返し訪問しても、ポジティブな印象をあたえているとは思えないのです。更に、この状態が継続されれば、「出入り禁止」ということも起こりうるのではないかと思います。

ところが、実際は、テレホンアポインターがひたすらアポをかけて、素人が訪問するようなビジネスをしているところは意外と多いようです。(営業をうけるようになってとっても強く感じます。)

また、不況だからか、会社から訪問件数を増やせと言われて、訪問しやすい会社への訪問頻度を上げているというケースもかなりありそうです。

やってはいけなそうな2つのこととその改善策

と、ここまで考えて、2つのことを思いました。

  1. (機能が満たせない場合)訪問すればするほどお客さんが怒る営業パーソンは機能しているといえないが、実際はかなりの数存在する。これはやってはいけないが、もしかしたら、今後こういう状態は増えていくかもしれない。これを是正するためには、きちんとしたOJTをするか、もしくは人的販売を減らし、売れる仕組み作りをする必要があるのではないか。
  2.  

  3. (見込み顧客が適正数ない場合)営業にとって行動量を増やすことは重要だが、その行動量が分散されずに、特定のお客さんに集中して向けられた場合、お客さんは「ああ、売れてないんだな」と思うに違いない。これはやってはいけない。頻度は意識しつつも、きちんと分散をする必要がありそうだ。分散するためには、商談に結びつく顧客を一定数抱えている必要がある。それがないのであれば、訪問活動ではなく、違う部分に注力した方がよい。

 
私は、制度としてのOJTが存在する会社に勤めたことがなく、たたき上げで育ってきました。

このためか、とある会社さんで、新人に半年とか1年とか独り立ちさせないという話を伺ったときに、『甘やかし』と思った時期がありました。でも、上記のことを考えると、営業はせめて半人前になるまでは、外に出さないってのは重要なんですよね。

会社のブランドというのは、会社の規模や知名度によって構築されていると考えられがちですが、きちんとOJTをやって、お客さんの利益を守っているからこそ、売れていき、結果として規模や知名度につながっていくんだなと思います。鶏が先か卵が先かの議論かもしれませんが、「ブランド」なるものが単純に売上だけで構築できるとは考えない方がいいのかもしれません。

少し話しが脇にそれましたが、このような「べからず」をやってしまうというケースが今後増えそうなのであれば、多くの企業にとっては逆にチャンスだなと思いました。だって、競合する会社がそのような状況であれば、少しトレーニングすれば、簡単に成果がでるんですから。今後は、半人前になるまでの時間をいかに短くするのかという視点での営業トレーニングなども増えてくるのではないかなと思った5月のミーティングでした。

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