場として考える | ビジネスゲーム研修で人材育成を内製化 | カレイドソリューションズ

代表コラム

COLUMN

場として考える

ビジネスゲームはあくまでも「研修の場」において目的を達成するための「手法」です。

この「研修の場」というのが、意外と見落とされがちです。

当社はビジネスゲームを活用した研修を商材としています。なので当然、ゲームの内容説明を求められることが多く、その部分を上手に説明できると、自分も満足しますし、お客さまも満足しているように見えます。でも、違うんですよね。この場合、終わったあとに虚無感に襲われます。だって、双方にとって何も進んでいないんですから。

結局、ゲームって、研修全体の中の一部分に過ぎないんですよね。

例えば、テレビゲームで、ゲームをやったとします。で、「うわぁ、勉強になった」と思うことってあまり多くないのではないかと思います。それ自体で学びが沢山というものも中にはあるとは思いますが、ゲームだけで目的を達成するのは実は大変。

ここが、「ゲーム学習」というゲーム内で完結することを目指したやり方と、「研修の中のゲーム」という場として考え、場全体として学びが生まれることを目指したやり方の違いなのではないかと思います。

研修の中のゲームと考えると、ゲームをする前にゲームを行なう上でのインプットを通じた前提をそろえることや、ゲームが終わった後に、現象を振り返り、一旦発散し、そして、自分がゲーム中にした経験と他者がゲーム中にした経験を発表し合うことで互いに孕むということをするのが不可欠な工程となります。こうすることで、(あくまでゲームの型の1つに過ぎませんが、)「学びの最小公倍数化」ができるようになります。

ゲーム開発者もゲームを作り込むのはとても楽しいし、ゲーム研修の買い手もゲームの中身の説明を聞くと楽しい。だから、ビジュアルに凝ってみようとか、もっと悩ましいものを作ろうとか、そういう方向に向かってしまいがち。でも、これだと、学びが抜け落ちてしまうんですよね。

普通に考えると、当たり前のことなのですが、なぜか「ゲーム」という言葉が登場すると、とても中身が気になってしまう。これってゲームという言葉の持つ魔力かもしれないのですが、そうも言ってられません。当たり前のことは当たり前に考える必要があります。

先日、自社の強みというのを考えたときに、きちんとした研修会社で数百の研修を見てきて、事前のインプットと事後の押さえとしてのリフレクションをきちんと考えているというのが、他にはマネできない強みとして浮かびあがってきました。手間はかかるのですが、インプット向けの資料と、気づきを整理するためのテクノロジーがありつつも、ゲームを提供できる開発力があるというのは、研修の場を提供する会社としては中々いいんじゃないかと自信を持つことができました。

最近、学びについて真剣に考えている友人が増えてきているので、力を借りながら、もっと場の持つ力を強めていきたいなと考えてます。

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