顧客満足とクレーム対応に関する研修の発掘(2)【温故知新PJT】 | カレイドソリューションズ

代表コラム

COLUMN

顧客満足とクレーム対応に関する研修の発掘(2)【温故知新PJT】

今年の2月に東京都が「カスハラ防止条例」の制定を目指すというのがニュースになりました。全国初だそうです。
“カスハラ防止条例” 東京都が全国初の制定目指す

顧客満足とクレーム対応に関する研修の発掘(1)【温故知新PJT】では、クレーム対応に関する研修をご紹介しました。ここでは、カスハラについてお話ししたいと思います。

カスハラは、カスタマーハラスメントの略で、カスタマーが行う迷惑行為によって従業員がハラスメントを受けることです。

個人的に、ハラスメントに関する横文字は語義がうまく伝わらず、各所で問題を発生させているので、念のためカスハラについても言葉を紐解いてみたいと思います。このあたりの話がお嫌いな方はではカスハラとは誰によるハラスメントなのかに進んでください。

カスタマーの語源・語義とは

カスタマーの語源は、「カスタム」つまり「習慣的に」足しげく通ってきてくれる人なのですね。

カスタマーを英英辞典で引くと、「モノやサービスを購入する人や組織」とあります。「購入する(buys)」が「購入した(bought)」ではないところが難しいですが、少なからず、購入した、ないしは購入する予定の方であるとは言えるでしょう。

マーケティングの分野では、カスタマーは商品を購買した、もしくは購入を意思表示した人で、その手前の人を「リード」と言います。リードは更に「サスペクト」と「プロスペクト」に分かれ、ニーズが潜在か顕在かによって分かれていきます。

カスタマーを和訳するとどうなるか

では、カスタマーの和訳は何かというと、客/顧客です。来店者、来場者といった言葉もあるかもしれません。

「客」といった場合、「訪ねてくる人」というのが元々の意味です。ここには英語と違い、習慣的にという意味は存在しないように思います。

では、客と顧客の差は何かというと、諸説があります。まず、客を広い意味で使い、顧客を含み、顧客は購入歴がある人を指すという考え方があります。また、他にも、客は購入歴がなく、顧客は購入歴があるという考え方があるようです。

ただ、「お客さまは神様です」といった際に、購入履歴のない方だけを神様として扱おうということにはなりません。なので、「客」は全般を指し、「顧客」は狭い意味で購入歴のある方を指すと考えた方が良いように思います。(そういう意味では「顧客満足」という言葉には含意を感じてしまいます。)

ではカスハラとは誰によるハラスメントなのか

カスタマーハラスメントの「カスタマー」はそういう意味でどの範囲を指すかというと、「客」によるハラスメントです。結論として当たり前すぎて、ここまでの話はなんだったんだとなるかもしれませんが、議論を踏まえた上で、「客」を定義して使う言葉と議論せずもやもやしながら使う言葉には大きく解像度に違いがあるのです。

カスタマー周辺の当社の取り組み

当社では、古くは2010年に「CS(顧客満足)とクレーム対応」というコンテンツを開発したことがあります。「クレーマー」の類型や顧客感動といったものについても扱っていました。(ここではCSといっていて、顧客満足としていないですね。)

その中で、クレームへの一次対応を学ぶ「トラブルシューター」をリリースした経験があります。(クレームをトラブルとしていたところに自分の幼さを感じます。)

また、実現はしませんでしたが、2017年に某小売店にて、面白い企画をしました。クレームを環境型・接客型・商品型に分け、実際にお客さまから投書された内容をベースにカードを作り、

  1. 顧客目線で考える
  2. 主要なクレームの定量的なインパクトを知る
  3. 不快感を与える背景を知る
  4. 不快感を減らし、好印象を与える方法を話し合う

という手順で進めるものです。

ただ、その後のハラスメントに関する気運の高まりと、それに伴うカスハラを行う「カスタマー」の要求水準の変化といったものがあり、企業が対応しきれなくなっているという実態もある中で、カスタマーハラスメントとはどのようなもので、どうなった場合に「ハラスメント」として扱い「神様」を堕天させるかといった判断を行えるようにしておかないと、従業員のメンタルリスクが高まってしまうのです。

ところで、ハラスメントはパワハラでもセクハラでも明確なブラックゾーンもあれば、判断が介入する「グレーゾーン」も存在します。

当社では、「ボスの品格」や「ボスは貧弱」といったツールにて、グレーゾーンの理解に尽力してきましたが、カスタマーハラスメントについてもツールが必要かなと考え、色々と考えているところです。

顧客満足とクレーム対応に関する研修の発掘(1)【温故知新PJT】

CS(顧客満足)とクレーム対応

クレーム対応ゲーム「トラブルシューター」

人気のコラムBEST5

コラム カテゴリー別

コラム 年別アーカイブ