かつて講義型研修の提供を止めた当社がなぜ今提供を再開するのか? | ビジネスゲーム研修で人材育成を内製化 | カレイドソリューションズ

代表コラム

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かつて講義型研修の提供を止めた当社がなぜ今提供を再開するのか?

カレイドソリューションズのコンテンツのルーツ

当社は、研修内製化を長らく手掛けてきており、その中でも「ゲーム」に力を注いできました。これは創業者である私の強い想いや、原体験と紐付いています。
今回は少し私的な話を書きたいと思います。

私は学生時代にとある学習塾で英語を教える仕事をしていました。そのときに教えるための資料がなく、全て資料をゼロから作る経験をしました。効率的に作成するために、親にワープロを買ってもらい、夜を徹してプリントを作成していたことを記憶しています。

授業のある前の日はこのときにまず自分の考えを整理することで理解が進むこと、そして世の中で言われているやり方が常に正しいわけではなく簡便なやり方で一定の理解にまで到達させることなど、今の仕事にも連なる様々な体験を積むことができました。その会社も今では東証一部に上場しているので、もうそんな経験を積めることもないのでしょうけれども、そういう自分で何かを作っていくことにのめり込むことができたのは幸せなことだったのではないかと思っています。

ただ、この作業は想像を絶するほど大変でした。大事なお子さんを預けてくれている親御さんへの責任や、教師として成績を上げるという成果を出さなければならないこと、自分はそのために授業のための資料を作っているというプロ意識を持ちながらも、この部分をショートカットすることはできないかな、とずっと考えていました。

その後、教育実習に行き、「直接教えることは尊い活動だけれど、世の中のあらゆる人には届かない」と考え、教員の道から別な方向に転換したのです。

こうした何らかのコンテンツを発信することで少しでも世の中を良くしたいという気持ちは、いろいろな場面で発揮されて、一時はそこそこのアクセスのあるホームページを作って懐かしのテキスト系サイトを作ったりしていました。少し話題になりすぎてしまって、今でいう炎上が怖くなったので、サイトを消してしまったのですが、コンテンツを作り、いろいろな発信をすることには楽しみを感じます。

当社が講義型研修を提供しなくなった理由

そこから長い年月が経ち、研修会社を経て、当社を創業することになるわけですが、創業当時はゲーム研修と同時に結構な数の「講義型」研修を作っていました。ゲーム研修には多くの講義やワークが付属するのです。そこで、2つショックな出来事がありました。

自分の頭で考えて作った、自信作の研修に「ソース」を求められたことがありました。当然ですが、自分の頭で考えているのでソースはありません。ただ、情報化された時代ですから、探せば近いコンセプトは見つかります。そして、「ソースがないと信用できない」といわれるので、こういうものを見つけましたと伝えるわけです。それに対して言われたひとことが「パクリじゃないか」でした。これは非常にショックでした。この出来事があってから、お客さまに講義型の研修を提供するのは止めました。

もうひとつは、「スライドを見ないと購入できず、データがほしい」というので、それをお送りしたら連絡がつかなくなったことです。その後、別な研修会社の社長から「高橋さんのところのスライドつかって研修やってたよ」と連絡が入ったことです。こうしたことが何度かあり、最もショックだったのは、「御社のスライドをもっとわかりやすく作り直しておいたからそれを提供してあげるので値引きして」という交渉を持ちかけられたことでした。善意かもしれませんが、知財の改変を禁じることを契約書に書いたからといってルールが守られるとは限りません。かくしてスライドをご提供するのは、運営用のスライドなどノウハウが比較的少ないものになり、講義型の研修はすっかり「裏メニュー」になっていきました。このタイミングで知財などについても勉強し、顧問弁理士もつけました。

当社が講義型研修を提供するようになった理由

こうしたトラウマがあるので、信頼できると感じる担当者様にだけスライドを提供する運用で進めていたのですが、会社が大きくなるに従ってそれには限界がでてきます。そして、私にはほんの少し完璧主義的な欠点がありますので、スライドも年々アップグレードされていきます。こうした知財保護やアップデートに関する点を全てカバーする方法がなく、講義のスライドの提供については長らく放置されてきました。

しかし、新型コロナウイルスのことがあってから、本件についてはそうも言っていられなくなりました。とある上場研修会社の2020年7月のIRによると緊急事態宣言直後の6月の研修は2/3がオフライン(オンラインではありません)でしたが、1/3がオンラインになっていました。感覚として1/3がオンラインを多いと捉えるのか、少ないと捉えるのかは悩ましいところですが、4月の新人研修についてはオンライン化が間に合わず、6月からオンライン検討を開始した企業が多い実感値とは一致します。これから徐々にDXが進んでいくとすると、トラウマに縛られていてはいけません。オンライン化の傾向は、新型コロナ以前の「マス・カレイド宣言」から方針としては決めていた講義スライドの提供を本格化させるきっかけになりました。

お客さまの側でスライドを編集はできない(著作権上普通のことです)ように知財面をクリアにし、お客さまが講義型の研修がまずは「オフラインで」できるようにしたのが8月1日のサービスインでした。

これによって、当社だけしか提供できない内容の「講義型」研修にアクセスできる方が増え、ご発注をいただくことができたのは、上述の背景を踏まえると、非常に嬉しいことでした。ちなみに、私たちの研修内製化コンテンツは決して安くありません。場合によっては、他社の講師派遣よりも内製であってもときには高額です。ただ、当社の講義型は経営のファストトラックに乗せるために、世界トップの人材育成を志向し、まさに人材獲得競争の真っ只中にいる企業と作ったものも多い唯一無二の研修群ですので、やや抽象度は高いですが、それに各社の人材開発の方々が肉付けを行うと、とても充実した研修になるかと思います。

一つ一つ積み上げた上でのオンラインでの提供

オンラインでスライドを使用できるようにするだけであれば、各種ウェブサービスで実現が可能です。しかし、ここでも困難がありました。オフラインの研修と同じものを提供すれば良いオンライン研修になるわけではないということです。このため、オフラインの研修と1.5ヶ月ずらして9月15日からオンラインでの講義型研修を提供することにしました。考え方については、こちらに書いています。

新型コロナウイルスの流行から、正式にオンラインについて告知するまでに半年近い期間を要してしまいました。これには、上記の理由や、オンラインで講義型を提供するのであれば、私たち自身が自信をもって提供できるものではならないという私たちのプロ意識があります。私たちには数多くの研修があります。その全てを一律に同時に提供できるわけではありませんが、お客さまから「オンラインでもカレイドは信頼できるベンダーだった」「研修の検討の時間をショートカットできた」とおっしゃっていただけるように全社一丸となって頑張っております。

どんなものか分からないという場合、「初回講師派遣」があります。こちらについては、あまりご存知ではない方も多いようなので、こちらに少し書きましたが、スムーズな内製化のために初回に限定して私が登壇することも多々あります。内製化の前に、まずはカレイドソリューションズの講師がやっているところを見てみたいという方は、ぜひご検討ください。

”研修のオンライン化”と”オンライン研修”の決定的な違いとは!?

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