今回、研修のオンライン化とオンライン研修の違いが話題になった際にふと以前、研修の内製化と内製研修の違いが話題になったことを思い出しました。こうしたものはアナロジーで片付くことが多いものです。
研修内製化と内製研修の違いとは?
研修の内製化とは、もともとは内製でなかったもの、外注でなんとかしていたものを内製に「化」することです。つまり、外部の研修でやっているような内容を自社内でできるようにすることです。これは外部の研修の存在が前提にあります。outsource to insourceなわけです。研修会社がやっているようなことを社内でできるようにすることです。知財の問題があるから普通はそのまま同じ内容はできません。当社の「研修内製化支援」は「内製化」の支援ですので、例えば、25人、7.5時間といった形式を変えずに、目的・目標を変えずに外部で行っている研修と同等以上の期待効果を実現するために研修を開発・提供しているのです。
逆に、内製研修とはオリジナルなものです。テクニカルな内容を含んだり、例えば1時間といった外部講師を呼びにくいといった特徴のある自社独自の研修です。
この点で、当社のビジネスを2つに分けると、当社の「レンタル」コンテンツは研修内製化です。外部の研修と置換してしっかり成果が出せるように作っています。そして、「ずっとも」で取り組んでいた「買取」コンテンツ企業が作っていた内製研修の補助ツール的に、研修に素敵な彩りを飾るものだという立ち位置の違いがあります。
▼研修の内製化とは
研修のオンライン化とオンライン研修
これと同じようなことがオンライン化とオンライン研修にもいえるのではないかと思います。オンライン化にはオンラインではないものをオンラインにするという含意があります。ただ、外注の研修を内製にする際に困難があるのと同じように、本来オフラインに特化して作られているものを無理にオンラインにすると破綻します。例えば、昨今問題になっている「オンラインでは8時間も集中できない!」といったものは、「オンラインなのになんで8時間やんねん、あほちゃう」という話でしかないわけです。既存の枠組みに無理やり合わせようとして4-5月の研修には大きな無理が生じました。準備時間がなかったからやむを得なかったところもありますが、オンライン化の流れは不可逆です。コロナ騒ぎが収束したらオフラインに完全に戻るということはないでしょう。
なので、今求められているのは、オンライン化に適するものをオンライン化することであり、オンラインに適さないものを無理にオンライン化することではありません。オフライン向きのものは、仕様も新たに再設計することが必要なのかもしれません。つまり、これまでやってきたことと同じことをやるオンライン化と、オンラインの研修を設計するのは決定的に異なるのです。
例えば、8時間の研修は、パート1・2・3に分けよう。パート1は2時間の講義(これはビデオ)、パート2は演習(ここは集合)、パート3はディスカッションにしよう。それぞれ3時間でとなってくるのです。
さて、そこには講師はどこにいるのでしょうか。
私たちが扱っている「ゲーム」はまさにオフライン向きで、オンライン「化」には適しません。なので、オンライン化に適する「再創造」をされるタイミングを待っているのではないとそう思うのです。
公開日: 2020年6月10日