「より働きやすい環境」というと、「働き方改革?」と言われてしまいそうだが、私は働き方改革云々は別にして「仕事には抑えなければ行けないキホン」があり、「そのキホンを遵守してもうまく行かなかった場合のコーピング」が気持ちよく働き続ける上で欠かせないスキルだと感じている。まず、そもそも仕事は常に成果志向である。成果という掛け声は多いが、実は成果を定義できていないビジネスパーソンは多い。成果が定義できていなければ、そのプロセスを描くこともできなかろう。
ゴールとプロセスに関する「言葉」を持つ
まず、成果とは目標が達成できたかどうかではかられる。なので、仕事をする上で目標設定とその握りは重要なのだ。ただ、そこが教育されていないことが多い。
また、目標が明確であったとしても、経験豊富なマネジャーであるほど、細部は若手に権限委譲する。しかし、委譲されても、プロセスを設計できなければ目標達成ができることはない。なので、目標設定とその達成に向けたプロセスをきちんとデザインすることは、仕事をする上での前提条件となるのである。
にもかかわらず、そうしたゴールやプロセスに関する教育がなされていないため、理解し、ときには指導する上での「言葉」がないのだ。ここを身につけることがまずははじめの一歩になるだろう。
ビジネスではやり方が正しかったからといって成功するとは限らない
仕事をする上での前提条件は、成功の前提となるものだが、成功を約束するものではない。よく、成功する人は必ず努力しているが、努力しているからと言って必ず成功するとは限らないと言われる。まさにそのとおりである。ビジネスでは、失敗はつきものだ。この失敗があったときに、それを失敗と捉えるのか、学習機会を得たと捉えるのかは認知の話になる。トライアンドエラーがトライアンドラーンに変わりつつあるように、自分にとっての「よくない出来事」をどのように認知するかは、自分のストレスをコーピングする上で欠かせない。
こうすることで「自分」にとっての良くない出来事に対処できるようになる。
他者の認知を知ることが予防につながる
また、会社では「自分」に関する出来事だけが起こるわけではない。他者が行う「良くない言動」もある。こうしたものに対して、「他の人であればどう考えるのか(弊社では「立場マジック」と呼ぶ)はどうするのか」を知ることは相互理解、ひいては良い職場を創ることに繋がるだろう。
この手の他者の「良くない言動」によって自分たちが受ける不快さを「ハラスメント」というが、ハラスメントは上司から部下への固定的なものではない。逆パワハラや同僚間でのパワハラもある。他者の感じ方を理解することは、ひいては自分の言動を改めるきっかけとなり、結果として不快な行動の予防につながるだろう。
こうした観点で、6月21日に以下のような体験会を実施した。こうした施策を積み上げていただくことで、より働きやすい環境がつくれることを感じてほしいと思う。
公開日: 2019年6月24日