読むより聞く、聞くより見るの方が記憶に残りやすい
「モダリティ効果」という言葉をご存知でしょうか。
「読むより聞く、聞くより見るの方が記憶に残りやすい」というもので、The Journal of General Psychologyという雑誌で2009年に紹介されたものだそうです。
研修を語るときに
「研修で学ぶ情報量って、新書1冊分にすら満たないよね」
といわれることがあります。
それでも研修をわざわざやるのは、やはり人がこの効果を潜在的に理解しているからかなと思いました。やはり、読むよりも聴く方が記憶に残るのです。この「記憶に残る」が効果を考える上で重要なのですよね。
上記でいうと、本で読むというよりも、研修という1日間の時間投資をした方が記憶に残ると言えそうです。課題図書を読むだけでなく研修をしたほうが良いと感じるのはこうしたところにありそうです。
ちなみに、モダリティ効果は認知心理学の言葉だそうですが、認知心理学の分野では「記憶に残る」について色々な研究があるようです。
比較的新しく、面白いと思ったものが「Google効果」です。これも「そんな用語あるの?」という用語ですが、サイエンスという雑誌に2011年に紹介されたものです。
グーグル効果は「簡単に手に入る情報はすぐに忘れる傾向がある」というもの。確かに、本で読むよりも研修で時間投資した方が記憶できそうですね。
ちなみに、類似の有名な考え方にアメリカ国立訓練研究所(National Training Laboratories)のラーニングピラミッドがあります。ここでは、上記と講義と読書が逆転していることと、視聴覚(ビデオ)が上位にあるのも面白いところです。
少し疑問があるのが、人は文章を「見て」いるのか、「読んで」いるのかという点です。自分は比較的写真のように文章をみます。なので、読むと見るでの区分けはしっくり来ません。なので「文字で見る」「音で聞く」「画像を見る」の方がしっくり来ます。ちなみに「動画を見る」については悩ましく、同じ動画でもテロップがたくさんでている動画や字幕付きの動画は事実上「文字を読む」と大差ないように思います。こうして考えると難しいですね。
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公開日: 2016年5月25日