ゲーム研修は長時間だと辛いという話 | ビジネスゲーム研修で人材育成を内製化 | カレイドソリューションズ

代表コラム

COLUMN

ゲーム研修は長時間だと辛いという話

楽しんでいるだけなのに疲れるのはなぜか

ゲームに限りませんが、

「講義があると聞いているだけでいいから楽なんだよね」

という話を耳にします。

同様に、ゲーム研修を長時間実施すると参加者の疲れ方が尋常ではないという話も聞きます。楽しんでいるように見えるのに疲れるというのは一体どういうことなのでしょうか。

自我消耗の状態は疲れる

自我消耗(ego depletion)という心理学用語があります。書籍「ファストアンドスローによると「強い意志やセルフコントロールを続けるのは疲れる」ということです。認知的に忙しい状態、つまり考え続けているような状態は疲労度が高く、その活動を成し遂げたあとで、同じようなことをしようとした場合に、着手できないほど疲れることが起こりえます。

これ、聞いたことがある現象ですよね。いわゆる「燃え尽き症候群(burn out)」と似ています。私もよく陥るのですが、大型の開発プロジェクトを終えると、数日間燃えカスのようになって廃人になります。そういうときに込み入った話をされると「今は止めて・・・」という気分になるのです。

この知見は研修設計を行う上で幾つかの重要な示唆を与えてくれます。

意図的に受動的な場面を作る

まず、ゲームは楽しいからといって、ゲームと振り返りのような考える場面だけでは、参加者の方が持たないということです。以前、とある大学で、20期に及ぶ意思決定をするゲームをしている現場を見せてもらいましたが、後半はほとんど思考せずに、機械的に意思決定を行っているように見えました。研修でも、シミュレーションゲームを2泊3日で何度も行うものがありますが、後半は抜け殻のようになっているように思えます。これは「厳しい研修だからやり抜いた結果疲弊した」のではなく「思考させすぎるから途中で燃え尽きた」と考えるのが適切なように感じます。

次に、受動的な場面も計画的に配置するということです。考えさせ続けるのではなく、少し受け身で聞くという場面がないと集中が持続しなくなってしまいます。よく「考えさせたいんだ!」という研修のオーダーをいただくこともありますが、結果として長い時間考えさせるには、ある程度意図的に考えさせない時間も必要なのではないかと思います。

自社に照らして考えると、過去に1日に2種のゲームを実施したことがありますが、その際の疲労度はかなりのものでした。こうした知見を踏まえると、講義とビジネスゲームが半分ずつになるような設計が良いのかもしれません。

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