ルール説明に理解が得られなかったときの振る舞い方 | ビジネスゲーム研修で人材育成を内製化 | カレイドソリューションズ

代表コラム

COLUMN

ルール説明に理解が得られなかったときの振る舞い方

ビジネスゲームのルールの内容を口頭説明で100%伝えるのはほぼ無理です。

以前も書きましたが、人は思っていることを100%発信できません。

同時に聞き手も100%理解できないのです。

よく、海外産のボードゲームのルール説明を引き合いに出しますが、それらには、6歳向け、8歳向け、10歳向け、12歳向けなどの難易度に関する区分があります。

これまでの経験上、

  • 6歳向けのゲーム:概ね伝わるが、2~3割程度の人が理解していない。
  • 8歳向けのゲーム:半分以上が理解していない。
  • 10歳向けのゲーム:大半が理解できない。

という印象です。(念のためお断りしますと、この「○歳向け」は「丁寧に説明をうけて、数度やったら理解できる」という基準です。このため、社会人の知的水準が6歳程度というわけではありません。)

では、当社のビジネスゲームはどの程度の難易度かというと、8歳向けと同水準で作っています。

なので、初めてルールを聞いた時に半分弱しか理解できないのです。

今回のエントリでは、
「ファシリテーターがルール説明に理解が得られなかったときの振る舞い」
について書きます。

以前、体験会登壇を依頼した人がルール説明をした際に、ルール説明が伝わりきっていない雰囲気を感じたのか、不安そうな顔でこんな発言をしました。

「みなさん、大丈夫ですか?」
「ダメですよね」
「大丈夫そうにみえませんね」
「みなさんがルールが理解できていなさそうでとても不安です。全然わからないですよね。」

これは、自分が思っている考えをそのまま口に出しているという点で、特定の領域では正しいとされる考え方ですが、
その結果、参加者はみんな

「俺は、大丈夫な人間ではないといわれている。」
「ああ、この研修はわからないものなんだ。」

という気分になってしまったのかもしれません。

その結果、この体験会の評価は当社の体験会の歴史の中で過去最低、当社の返金基準すら下回り、当然にご発注もゼロという惨状となり、

  • 「誰でもできる」
  • 「成果を保証できる」

を売りにしている身として、過去にないほど落ち込みました。

返金基準を下回ったことは過去に一度もないのです。

講師に依存しないといっても、第一印象が最悪だと取り返しがつかないことになるという良い例でした。

ただ、この場面で以下のように伝えてみてはどうでしょうか。

「現時点で分かっていなくても、それが自然です。」
「ルール説明を初めてきいて100%理解できる人はいませんので安心してください。」
「ここから練習をしながら徐々に理解していきましょう。」

上記のものと比べてみると差は良くわかると思うのですが、

「分からないのは私だけではないんだ。分からなくても大丈夫なんだ」
「ああ、はじめは分からなくていいんだ(あとから分かるんだ)」

という気分になり、安心できるのではないでしょうか。

この説明の仕方は登壇に限りません。

本当に少しの言い方の違いが、印象の悪化を加速させ、どんどん場の雰囲気が崩れてしまいます。

恥ずかしい事例ですが、弊社のビジネスゲームを導入いただく方が同じ轍を踏まないように公開させていただきました。

何かの参考になれば幸いです。

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