当社では様々な学びや気づきを促すツールを作っています。
それらの特徴の一つは「考えさせる」ことです。
例えば、困った状況に対して自分なりの答えを考える「イエナイヨ」や「モチベーションマジック」がありますが、いずれも研修の前もしくは後によく聞かれることがあります。
まず、研修実施前には、研修の講師を担当する方から「質問されたときに困るので「答え」を教えてほしい」といわれます。また、研修実施後には、「参加者から答えを知りたいという質問があったので答えを教えてほしい」といわれます。
繰り返しますが、ゲーム研修の特徴は、「考えさせる」ことです。なので、これらの問い合わせには慎重にならざるを得ません。もちろん、妥当解は用意していますが、それを教えてしまった途端に研修の効果が台無しになってしまうんです。
例を一つ挙げます。
「異性のお客さんからご飯に誘われたけれども行きたくない」という状況に「家でペットを飼っているので、外食はできないんです」という回答があるとしましょう。
この回答は、誰も傷つかない良い回答です。ただ、この答え方を知った瞬間に「考える」ことは失われてしまって、「気の利いた回答を暗記する」という暗記科目になってしまいます。暗記科目であれば、体験型ではなく「問答集」を作成して暗記させればよくなってしまいます。
ただ、ゲーム研修を活用したそもそもの理由は、臨機応変に対応できるような再現性のある能力開発ではなかったでしょうか。
講師が答えに近いものを知っているのは重要です。ただし、それを講師が一つでも提示した途端に「全ての設問に対する妥当解をください。それを見て、よしあしを判断し、良いと思えば覚えて使います。」になってしまいます。これでは折角体験型に時間を使う意味はかなり損なわれてしまうんですね。
これは、振り返りでも同じことが言えます。講師が思う正しい考えを「落とし込み」した途端にそこで考えた様々な学びは台無しになります。振り返りシートなどに講師が話した内容がずらっと書いてあったら、講師が台無しにしたと考えてよいでしょう。(講師のコピーロボットを作りたければ別ですが。)
少し脱線しましたが、とにかく答えを安易に教えてはいけません。特に「学ばせたい」と思っているほど、注意してほしいと思います。答えを教えたい場合は、「私見である」とか「正解はないが、妥当解」とかを必ず「強めに」いうようにします。ただ、かなり強めにいっても、それでも失敗するくらい「答え」の影響力は大きいです。
カテゴリー: イエナイヨ ,コンテンツ ,ビジネスゲーム考 ,モチベーションマジック ,代表コラム
公開日: 2014年3月8日