OPEN KiDS ワークショップを終えて(前) | ビジネスゲーム研修で人材育成を内製化 | カレイドソリューションズ

代表コラム

COLUMN

OPEN KiDS ワークショップを終えて(前)

弊社高橋が慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(SDM)附属SDM研究所イノベーティブデザインセンターで開催される慶應イノベーティブデザインスクール(OPEN KiDS)第3回公開ワークショップ「あなたの未来をデザインする人間中心デザインワークショップ」の12/2(日)のセッションでゲスト講師として「自己変革とゲーミング」をテーマに登壇しました。

当日使ったスライドをシェアします。

弊社は、ゲームを「提供」しているので、弊社のお客さんは「ゲーム」を参加者にプレイさせて学んでもらう事に眼目があります。つまり、プレイヤー目線な訳です。しかし、弊社側から見ると、弊社が作り出したゲームというのは、あくまで「結果」に過ぎません。

「結果」は「原因」によって生まれます。

この原因、つまり弊社のコンピタンスとも言える部分がこの「ゲームデザイン」の力です。ゲームデザインは一日にしてならずではありますが、コンセプトや骨子については、7時間もあれば、大分効率的に伝えられるようになってきています。

今回のワークショップでは、弊社の実践知はできるだけ削り、裏付けがあるものを中心に提供しました。

大きく分けて、

  • 自己変革とゲーミング
  • ゲームを学ぶ
  • ワークショップ

という構成で進めました。

自己変革とゲーミング

ここでは、ゲーミングの解説を行ないました。

プレイする側については皆さんイメージがしやすいので、逆に「デザイン側」に振り、デザインすることの効果を話しました。

まず、「構造や仕組みを再現する」ことで、構造がわかるから物事の見通しが良くなり、本質が分かるから迷いがなくなるという効果があると思っています。多くの会社向けのビジネスゲームを作っていると、こうした目は自然と養われます。

次に、「相手の幸せ/満足を考え続ける」ことです。プレイヤーの「ポジティブ」な状態を常に考えることで、感情が前向きになります。本論から逸れるので話しませんでしたが、UIを考えるとかUXを考えることの本質は、幸せ/満足の追求にあると思うので、ここを抑えていることは大事だと思っています。

ここでは、マクゴニガルを引用しました。

ゲーム産業はポジティブ心理学の知識を活用しています。ゲーム開発者たちは、ゲームがヒットして利益をあげるためには、そのゲームがプレイヤーを満足させ、どれほど前向きな気持ちを引き出せるか、つまりどれだけプレイヤーを幸せにできるかにかかっていることを理解しています。

 
もう一つ、個人的に思うのは、ものを生み出す活動は楽しいということです。これについては、やや根拠が薄弱なので、話しませんでしたが、ゲームを考えると気持ちが前向きになる理由というエントリを書きました。

ゲームを学ぶ

では、ゲーム開発のニーズとシーズについてお話しし、シーズについてゲーム理論の極々狭い部分と、アナログゲームの知見を共有しました。

金槌しか持っていない人は、すべての問題が釘に見えるだろう

 
というマズローの言葉があるようです。

これは本当に真実で、双六しか知らないと、双六型のゲームしか作れません。このため、僕はアナログゲーミング研究会でゲームの果てしないインプット活動をしています。この知見は、文書化したところで一朝一夕につかめるものではないことがわかったので、詳しく説明しませんでした。

シーズには、非常に幅があります。書籍” the art of gamedesign“(amazonに飛びます。洋書:未邦訳)によると、ゲームデザイナーには、以下のスキルが求められるということです。

ゲームデザイナーが必要とするスキル

  • アニメーション
  • 人類学
  • アーキテクチャ
  • ブレインストーミング
  • ビジネス
  • シネマ
  • コミュニケーション
  • クリエイティブライティング
  • 経済
  • エンジニアリング
  • 歴史
  • マネジメント
  • 数学
  • 音楽
  • 心理学
  • パブリックスピーキング
  • 音のデザイン
  • テクニカルライティング
  • ビジュアルアーツ

※高橋抄訳

特に最も重要なことは、「聞くこと」とあります。上記はデジタルゲームの開発のスキルセットだと思いますが、大半はアナログでも共通します。要は、ゲーム開発はその人の全人的能力が求められるのです。

ここまでが前半部分です。続きについては、後日書きたいと思います。

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