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COLUMN

ゲームアイデアの出し方

大昔に書いて公開していなかったエントリがあったので、公開します。

——–ここから———

ゲーム案をあれこれ考えているときに、

「自分はどうやって、アイデアを紡ぎだしているんだろう」

とふと思いました。

自分の思考のプロセスは、

捨象して、抽象化して、肉づけ(潤色)する

というやり方が一番合っています。

といっても、わかりにくいと思いますので、少し具体的な例を使って説明します。

最近、豚インフルエンザで一躍有名になった「パンデミック」。これを扱った「パンデミック」という米国のボードゲームがあります。

内容は以下。

パンデミックとは、伝染病や感染症が世界中に流行することを表す用語。

このゲームは、世界中に拡大しようとする感染症の根絶を目的とし、プレイヤー同士が協力し合って、4種類の病原菌すべてのワクチンを発見するという、多人数協力型ゲームだ。

プレイヤーはそれぞれ別々の特殊技能を持った科学者や医者となり、世界の各都市に研究施設を建設し、4種類存在する感染症の治療を行って病原菌の拡大を防ぎながら、ワクチンの研究を進めていく。プレイヤーにできることは、世界の各都市を移動し、研究施設を作り、そこで治療をし、情報交換をしながら、治療薬を発見すること。しかし毎ターン世界のどこかで感染症が発症し、ちょっと手を抜くとたちまち病原菌は広がり、世界各地でアウトブレイク(拡散)が発生し、 ゲームオーバーとなってしまう。病原菌が勝つか、それとも人類(プレイヤーのチーム)が勝つか?勝つためにはプレイヤー間の協力体制が不可欠。病原菌が世界中に拡散していく恐怖に対する、切迫感、無力感、絶望感を味わえる快作だ。

出典:ホビージャパンウェブサイト

このゲームから、パンデミックという具体性の強い要素を捨象し、抽象化すると、以下のようになります。

まず、設定から。

  • 複数の場所がある
  • 参加者は能力を持っている
  • 場所はまとまると地域となる
  • 地域には特有の問題がある
  • 問題はランダムに各地に発生する
  • 問題は限界をこえると他の場所に波及する
  • たまに大問題が発生する
  • 大問題が発生すると、普通の問題の発生率があがる

参加者は以下のことができます。

  • 隣の場所に移動する
  • 特定の場所に移動する
  • 問題を解決する
  • 問題を根治するための準備をする
  • 全力で問題を根治する
  • 他人と情報交換する

職能には以下のようなものがあります。

  • 早く移動させるひと
  • 早く準備ができるひと
  • 対症療法なら支店の問題をまるごと解決できるひと
  • 少ない情報で根治できるひと
  • 特殊な情報を他者に提供できるひと

勝利条件は以下のとおりです。

  • 根治する方法を全部見つける

敗北条件は以下のとおりです。

  • 問題が他の場所へ8回波及する
  • その地域中に問題が蔓延してしまう

と、このようなゲームです。

これに潤色をします。潤色するときには、自分で考えると自分の枠を超えた発想がでてこないので、よくアマゾンの書籍のカテゴリを見ながら考えます。アマゾンの書籍のカテゴリは以下のようなものがあります。

  • 文学・評論
  • 人文・思想
  • 社会・政治・法律
  • 歴史・地理
  • 投資・金融・会社経営
  • 科学・テクノロジー
  • 医学・薬学
  • コンピューター・インターネット
  • アート・建築・デザイン
  • 実用・スポーツ・ホビー
  • 暮らし・健康・子育て
  • 旅行
  • エンタメ・音楽

なんてのがあります。これをにらみながら、唸っていると、

  • 各地で勃興する新興勢力を鎮圧するローマ帝国系のゲーム
  • 数多く立ち上がるベンチャー企業の圧力に負けないように戦う大企業ゲーム
  • 体内で発生する癌細胞をつぶすゲーム
  • 幼稚園で続発するモンスターペアレントを退治するゲーム

なんてのが浮かんできます。これにちょっと捻りを加えて、退治するのではなく、活用するゲームとかにすると、

  • 数多く発生する新人アーティストから、有望なものを見つけて育てるゲーム

とか、こんどは、何かが増えていくのではなく、減っていくようにすると、

  • 刻一刻と劣化する文化財に修復作業を施して文化を守るゲーム

とかが発想されてきます。 (くだらない案ばかりといわれてしまうかもしれませんが・・・)

このアイデアを思いつく力のことを「着想力」といいます。このアイデアが出てくることを、内田和成さんは、「スパーク」するといっていたり、フランツ・ヨハンソンは「メディチ・エフェクト」といっていたり、茂木健一郎さんは、「アハ!体験」といっていたりしますが、結局、何かと何かがぶつかったときにアイデアって生まれるんですよね。

誰かと話していて新しいアイデアが浮かぶというのも、人為的にアイデアが浮かぶ場があるからでしょうし、一晩寝たらアイデアがわいたというのも、頭の中できっと何かと何かが結びついたんだと思うんです。私は、時間的制約のせいで自然発生的にアイデアがでる(「降りてくる」とかいいますね)のを待てないことが多いので、自分ひとりでもアイデアがでるように上述のような工夫をしていたということがわかりました。

たまに、こんな風に自分のやってることを振り返るといい気づきになります。でも、このやり方は、自分だけで再現性がないので、誰であってもアイデアを発想を学ばなければなりません。2011年はアイデアの出し方について考える年にしたいですね。

——–ここまで———

うーん、自分が過去にかんがえていたことって、着実に実行に移されていてとても面白いですね。2011年は、アイデアの出し方について学ぶことになりました。今、問題だ、課題だと思っていることを書き残しておくと、あとでとても活きます。「過去の自分との対話」は大切ですね。

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