マネジメントできてもマネジメントさせてもらえない不思議 | カレイドソリューションズ

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マネジメントできてもマネジメントさせてもらえない不思議

ようやく新作の説明会ラッシュが落ち着きました。短納期の開発案件が急増しているのを見ると、ようやく景気回復が本格化してきたんだなと肌で感じます。

さて、今回はシリーズで書いていたキャリアシリーズの最後です。また、キャリアについては書くかもしれませんが、いったんこれで終わりとします。

昨年末に「ピーターの法則」という古典的名著をじっくりと読みました。

以前から、その刺激的な主張にひかれるところがあって、じっくり読んでみたかったのです。

ピーターの法則はいくつかありまして、

  • 階層社会では、すべての人は昇進を重ね、おのおのの無能レベルに達する
  •  

  • やがて、あらゆるポストは、職責を果たせない無能な人間によって占められる
  •  

  • 仕事は、まだ無能レベルに達していないものによって行われている

 
というものです。

かんたんにいうと、平社員でそれなりに優秀であれば、主任になり、主任としてそれなりに優秀であれば係長となり・・・ということを繰り返していくと、どんどん職責や役割は変わっていきます。

最終的にはいつか自分の能力ではいかんともしがたい職責が与えられると、その職務において「無能」となるわけです。

法則というのは絶対的な真理なので、この法則が本当に法則かは疑わしいのですが、納得感は非常にあると思いませんか。

この法則って、終身雇用時代のアメリカの法則ですので、職務主義を前提としているのと、降格があまりないことなどを加味して考えると、日本とは少し違うこともありそうですが、日本の場合、以下のようなことがいえそうです。

     

  •  4.日本においては、無能には至らず、その職責よりも下の仕事をするもので占められる 

また、こんなこともいえそうです。

     

  • 5.そのポストにおいて優秀であれば、昇進をする
  •  

  • 6.そのポストにおいて優秀でなければ、昇進しない

少し話は変わりますが、私は人材のアセスメントを提供する会社で勤務し、アセスメントをある程度学ばせてもらいました。

私は、その会社に入社してアセスメントの話を聞いたとき、
「マネジメント適性があれば、その人にマネジメントを任せればいいのに、企業はなぜそうしないんだろう」
という疑問を持っていたのですが、その疑問に対する明確な答えが、まさにこの「ピーターの法則」に書かれていたように思います。

人事経験の長い方にとっては当たり前かもしれませんが、
「成果を出していない限り、出世できない」
んです。

どれだけマネジメントの神のような力があったとしても、足もとの成果が出せなければ、マネジメントはできません。ところが、世の中は当時MBAブームで、若者が蜘蛛の糸にすがるようにマネジメントを学んでいるわけです。

確かにマネジメントなどの力は磨くのに時間がかかるので、早めにやっておくにこしたことはないのですが、上述のようにプレイヤーとして優秀であることが昇進の条件だとするならば、行動は少し変わってくるはずですよね。

また、こんなことを書いている本もありました。

誰を昇進させるかという時に、トップが犯す二つの間違いがある。「成績」で昇進させることと、「人格」で昇進させること、である。どちらもうまくいかない。

成績で昇進させる企業では、どういうことが起きるか。誰もが短期の結果を追いかけ、長期の結果を無視するだろう。(中略)短期の成果をあげるために一番よい方法は、新製品を作り、新サービスを始めること、すなわち企業のフォーカスをあいまいにすること、である。(中略)成績ではなく、「人格」で昇進させる企業もある。他人を刺激し、動機づける能力で人間を選ぶのである。偉大な人格には問題はない。とくに偉大なリーダーたちに共通するように、その人格に知識と経験が組み合わさった場合は、である。

フォーカス! 利益を出しつづける会社にする究極の方法

 
オチは、この本を読んでもらうとして、結局、大切なのはバランスなんですよね。このことは、長い時間をかけてようやく気づき、いろいろと後悔したり、反省したりしまして、「フロンティア」に盛り込むことができました。本当に世の中にはいろいろな切り口がありますよね。

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