サービスが毎回違う飲食店 | ビジネスゲーム研修で人材育成を内製化 | カレイドソリューションズ

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サービスが毎回違う飲食店

先日、とあるチェーン店に入りました。初めにお冷やが出てきて、食事のあとに熱いお茶がでてきました。やはり食後は熱いお茶がでてくると「ほっ」とします。良いサービスだと感じました。料理も美味しく、大満足でした。

同じ店に翌週行くと、初めにお冷やとお茶がセットででてきました。まぁ、そういうこともあるかなと思いました。そのときに頼んだ定食も美味しくて、満足しました。

次の回にいったら、初めはお茶で、最後にお冷やを出されました。このサービス自体は初めにお冷やだけ出す普通のお店と比べたらよいものです。このときも料理は美味しく食べることができました。しかし、その後は行かなくなってしまいました。

なぜ、行くのを止めてしまったのか。考えてみると、「サービスが毎回違う」のが心地よくないんです。サービスが毎回違うというのは、こうまで印象に影響を与えるのかと自分の事ながら驚いてしまいました。

弊社に置き換えて考えると、今は非常に少人数で運営しているので、たまにサービスの変更があるときはあるものの、統一的なサービスが提供できています。しかし、きっと人数が増えるとそうも行かなくなってしまいます。なので、そうならないように、弊社では一度行った業務の中で再現される可能性の高いものは多少時間を掛けてもマニュアルを作るようにこころがけています。

例えば、担当者ごとに言っていることが違う、提案書のフォーマットが違う、プロジェクトの進め方が違うとなったら、 私が今回したのと同じようにサービスを買ってくれなくなってしまいます。

このようなことを防ぐのに、何がいいのかなぁと色々と考えていましたが、一般の人にとって、当たり前のことを改めて気付くことができました。2つあります。1つは、マニュアル。もう1つはOJTです。

この飲食店は多分マニュアルの中に、いつお冷やとお茶を出すかが決められていません。なので、従業員は、「最終的にお茶とお冷やが揃っていればよい」という判断をしているのでしょう。「なぜ、2つだすのか?」までは考えられていないのだと思います。このような勝手な判断による行動のブレを防ぐのにマニュアルはすごく有効です。

飲食店の話からはそれてしまいますが、各従業員が共通した考えのもとに行動するためには、長い時間がかかります。大手の企業は数年間OJTで営業同行をさせて、先輩の判断を観察させ、同じ行動ができるように仕込んでいきます。なので、統一したサービスが提供できるのです。これが、大手が大手たり得ている理由の一つなのかもしれないなと感じました。

私は会社の規模は大きくても、店舗が離れているとか、部長と自分しかいないとかそういう環境で働いてきました。おそらくこれが理由だと思いますが、OJTは数日という環境に慣れてしまっていたので、長期間OJTを受けるということの意味がわからず、ムダとすら思っていました。しかし、最近はすっかり考えが変わり、それには意味があるどころか、非常に重要だと感じるようになりました。

もちろん、ばらばらに営業活動に回らせれば、顧客との接触回数が増えて、目先の売上はあがるようになります。しかし、本当に大企業に成長していこうと思ったら、それではダメなのです。負け筋です。

ベンチャーから脱皮しようとするときの壁がこの「統一感」の壁なのかなと思います。ベンチャーのときは資金繰りなどが厳しいので、2名で営業に回る余裕などありません。そういう環境で育ってきた人達は、数年すると属人的営業のプロになります。私と同じように、2名で回り続けることをムダと感じるように自然となっていきます。しかし、信頼される企業としての「ブランド」を構築するためには、「誰に頼んでも同じサービスが提供される」 ことはクリティカルな要素なのです。

この、「統一感」を実現するのは、準備にも時間がかかりますし、効率も初めは悪いのだと思います。何人もいっぺんに採用するなんてとても無理です。じわりじわりと同じ遺伝子を持つ仲間を増やしていきたいですね。

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