「失敗学のすすめ」に、「局所最適、全体最悪」という言葉がありました。
これも非常に興味深い話でしたので、引用します。
「たとえば、ここにある製品を生産するシステムがあったとします。萌芽期に入ってきた人は、組織規模そのものが小さい段階でシステム開発を間近で見ているので、最も重要な全体の構成要素を把握しています。そのため発展期や成熟期になってシステムが広がりを見せても、全体的な視点からシステムをみることができるわけです。
ところが、次の発展期に入ってきた人は、システム全体を任されることはなく、部分的にしか取り扱うことを許されないので、システムの全体を見渡せるだけの能力が養われることはありません。この人が、~中略~条件の変化によってシステムを改良する必要が出てきた場合、システムを局部的にしか見ることが出来ず、その局所では良くても全体から見れば致命的な悪である改変を行なってしまうことがあり得るのです。」
失敗学のすすめ
これももっともだなぁと思います。
弊社が提供するビジネスゲームの購買層は、1000名以上の企業がほとんどです。
このくらい大きな組織になると、社員全員の顔なんて分りません。
これが10000名規模になると、同期だけで学年2学年分くらいの人数がいて、同期すら把握できず、「社内合コン」なんてものが開かれることもあるそうです。
つまり組織が大きくなるほど、分業がすすみ、ビジネスの全体像が見えにくくなるのです。
このため、小さな組織の経営者感覚が味わえるビジネスゲームは大手の企業で非常に積極的に取り入れられているのだなぁと改めて実感することが出来ました。
自分の扱う商品の意義が改めて理解でき、非常に嬉しい体験をすることができました。
エリヤフゴールドラットの「ザ・ゴール」の中で制約条件理論として、全体観を持ち、部分最適ではなく全体最適を目指すべきだということが語られています。
これも、ここまで書いたように、全体観が理解できていないとなしえないことなのかもしれません。
公開日: 2009年3月11日