利益を考えるときに、「額」なのか「率」なのかでずっと悩まされていました。
例えば、平均粗利率50%の商品を扱う会社で、粗利率10%の新商品を販売することは正しいでしょうのか。
この命題を考える際には、総利益額を考える必要があります。
この総利益額を考える際には2つのポイントがあります。
一つは、「限界利益」、もう一つは、「可変費用」となります。
限界利益とは、一つ売るごとに増える利益で、可変費用とは、人件費など追加で売るためにかかる費用のことです。
ちょっと難しい話になってしまいましたが、簡単にいうと、「追加投資が発生しない場合は、限界利益がプラスなら扱うべき」ということです。
私の業務でいうと、粗利率の低い業務提携の案件は、忙しいときにはバイトなどを雇わないといけない(=可変費用が発生する)のでやるべきではないですが、手が空いているときや閑散期には、 限界利益がプラスである限り総利益額はプラスになりますのでやるべきだということになります。
つまり限界まで働くということですね(笑)
とある会社では、粗利率30%という目標があり、この目標に縛られて、粗利率が規定に満たない場合はその仕事をしないということがあるようです。例えば、この不況で、仕事が減ってしまい、粗利率が高い仕事がやりにくくなっている会社も多いようです。しかし、粗利率が基準に満たないからといって、粗利率に拘泥し、暇な状態を続けるのは、上記の観点から考えると誤った意思決定となります。
手が空いている限りにおいては、粗利率が低かったとしてもやるべきなのです。
逆もいえます。業務が繁忙で手があいていないときは、利益率の低い仕事を受けてはいけません。業務が繁忙なときは意識して利益率の低い仕事は減らす必要があります。
研修会社で言えば、4月の第一週などのどれだけでも仕事のある時期には、安い値段では絶対にうけるべきでないということです。
この考え方は実は最近思い至って、書籍「定量分析実践講座―ケースで学ぶ意思決定の手法」で検証したのですが、もう少し早く知っておけば自分の仕事の優先順位の付け方などに非常に効果があったなと思います。
もっとどのような案件に時間を投資するかを判断できるようにして、時間の使い方をうまくしたいものですね。
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このような内容は、合理的意思決定の研修として追ってリリースしました。
公開日: 2009年2月4日