最近見積もりを求められることが増えてきました。
弊社は研修内製化支援を謳っているものの、実際のところ、「はじめは一度講師派遣でお願いしたい」という要望も多く、想定以上に講師として仕事をしてしまっています。
それで、講師派遣の見積もりを出すことになるのですが、見積もりを出す際に「適正」な価格というものを私なりに考えてみました。(多くのところは私の敬愛するI氏の受け売りです。)
私くらいの年齢の会社員がいたとしたら、年収額で、600-1000万円の範囲内に収まると思います。
この社員に対して社会保険費用や各種福利厚生費などの見えない費用を払っていることを考えると、この社員に実際払っている人件費は、約1.5倍の、900-1500万円だと思われます。
この社員が年間200日稼働すると考えると、一日あたりの日当は、4.5万円ー7.5万円だと考えられます。
但し、外注の場合は、常時雇用するというリスクをヘッジしているので、当然同じ金額で外注はできません。リスクヘッジによるプレミアムとして、約1.5-2倍は払わなければいけないと思います。
すると、6.75-15万円程度が”ぽん”と外注した場合の適正金額と思われます。
多くの研修会社が研修講師に対して支払っている金額はほとんどの場合この範疇に収まります。
但し、営業会社は、1件の案件を受注するのに対して、2-3日の営業コストを投下していると考えられますので、この金額が3-4倍になります。
つまり、20.25ー60万円が研修を研修会社に1日間外注する場合の講師料の相場観になるのでしょう。そして、リピート案件分の利益でその他の固定費(バックオフィスや地代家賃など)を賄っています。
実際私もいろいろな研修会社の見積もりをみましたが、大体この程度ですね。
では、「自分の実施する研修はいくらに設定するべきなのか!?」ですが、自分の値付けというのは悩むところですね・・・。弊社は研修会社ではないですし、自分の価値を自分で決めるのも悩ましい・・・
一旦まとめると、
- 研修の営業を通じて発注した場合の講師日当:20-60万円
- 仕様を決めて個人事業者にぽんと発注した場合の講師日当:7-15万円
が相場観かなと思います。
ここまで考えてみて、思ったのですが、逆に業務提携などでもしかりですね。
よく、「私の一日の日当は20万円です。それ以下ではお請けできません。」という方も多いのですが、研修会社の上記のような構造を考えると、この価格帯の講師の方は、サラリーマンだったら1千数百万を稼ぐような方と評価できないと頼めないことになりますし、その分高い金額をお客様にチャージしなければならなくなってしまうので、投資対効果を求められる研修会社がその方に発注することは考えにくそうです。
また、「30万円の案件なら5/6割下さい」という方も多いのですが、これはやはり上記の利益構造がみえていないので、よほど独自のポジションを確立していない限り、仕事がこないでしょう。
P/Lの構造などからみても、一番費用負担の重い部分は一般的には販管費ですから、営業会社に代わりに自分の売り込みをしてもらおうと思う個人事業者は、たとえ大幅に中抜きされていると感じたとしても、営業努力に価値があると納得しながら仕事をするのが正しい方法なのでしょうね。
公開日: 2008年12月2日