高校生のころ、とある予備校に通っていました。
ここは、事実かどうかは分かりませんが、3大予備校の有名塾の講師から授業中に名指しで「有名講師を金で集めている」と、批判されたりしていました。
これは別に悪いことではなく、ブランドや設備というハードよりも講師というソフトに投資していたという点で異なった経営をしていたのだと感じています。
その結果か分かりませんが、順調に成長しているようで、最近は四谷大塚を買収したりしていました。
で、高校のころに、サテライトだかサテライブだか忘れましたが、過去の授業を見れる仕組みがあって、凄く便利だったのを覚えています。
最高の講師による最高の講義をいつでもどこでも受けられるというのは、ある意味、大前研一さんの会社「ビジネスブレークスルー」がやっていることや、最近流行りのVODに通じるもののある非常に先駆的な取り組みだと感じます。(ちなみにこの仕組みは別にこの会社が始めたものではないとは思いますが。。。)
アナログでライブ性の高かったものが再生可能なコンテンツになったという点が凄い点だと思います。
逆に、少し前まで隆盛だったe-learningなどは、もともとコンテンツとしてあったものを、単にデジタルにしているような会社が増えて、失敗し、撤退していたりします。
デジタルにするだけでは成功はありえませんし、デジタルにするほか、それに加えた付加価値がないとe-learningは生き残っていけないんだと思います。
本を丸ごと一冊e-learningにして、それで高い値段なんか取れるわけないのは自明ですし、メディアの焼き直しだけじゃなくてなんらかのイノベーションがないとほしいとは思えませんよね。
e-learningの利点は、プログラム学習というスタイルを用いることで「知識」を効果的に詰め込める点にあるので、例えば、コンプライアンス・新会社法・J-SOX法などの知識系のものや、社内の独自のもの、例えば、会社概要や就業規則、労務管理、評価マニュアルみたいなものを読ませるためには活用できますが、知識だけではなく、実践が必要なものには向きません。
あくまで研修との組み合わせでの提供になることは避けられませんが、そしてそれを加えることで全体のコストが高くなってしまうので、受注可能性を押し下げることにもなるというジレンマを内包しているのかも。
ソフトがある(講師がいる)会社ならば、e-learningなどに手を出さずに、ビジネスブレークスルーのように、ソフトを形にして、それを提供できる有料制ストリーミング配信システムをつくり、LOD(LEARNING ON DEMAND)にでもして売り出せば開発にもお金かからなくてよいと思う。
例えば、研修を生業にする会社なんかは、おそらく研修を実施できる規模の会社(大体300名以上かな?)を営業対象にしていると思いますが、LODの仕組みがあれば、その対象は中小零細や個人にも広がると思います。
まあ、ビジネスブレークスルーとバッティングしますが、少し下流に位置づけて安価で提供すれば生き残れるなあとふと思ったのでした。
※当コラムは以前書いていたブログからの転載です。
公開日: 2008年1月17日