少し前に読んだ本に、後継者育成を考える上で、人事部及び研修を扱う会社が持たなければいけない視点を感じさせる一節があったので、引用します。
外国で研修を受けさせる場合は派遣先をごく一部に特定してはいけません。受入国は必ず自国の情報機関の「下請け」にしようとします。同盟国でもそうした意図で研修を行うのが常識ですから、基本的には、基礎から自前でつくらないといけない。ですから、新しい情報機関のコアになる人間を外国の情報機関の学校に留学させるのはもってのほか。これは絶対に禁止です。情報機関はその本性として、そういう人事をリクルートして下請けにしようとする。するとその人間の癖からプライバシーまで全て記録されてしまうんです。コアとなるような人材に外国の機関で教育を受けさせるという発想を持った時点で、その情報機関はアウトです。
皆さんはこれを読まれてどう感じられたでしょうか?
思うに、後継者育成(次世代リーダー・コア人材)の研修を丸投げ・丸請けすることは、リスクマネジメントの観点から見て、よろしくないということです。では、後継者育成で社外が関われる領域とはどの部分なのでしょうか?
それは、
- 対象
- コンテンツ
の視点から考えればよいのではないかと思います。
直近で後継する人材は、当然企業の機密に近いところにいます。なので、この層は対象から除外し、やや若手でボリュームが多い人材に対象を絞るのが賢いかと思います。また、コンテンツも絶対必要なビジネスフレームワーク(MBA的なもの)をきちんと教えられるベンダーと擬似的経営経験をつませることができる手法(ケースメソッドやビジネスシミュレーション)を持っているベンダーが求められているのではないでしょうか?
公開日: 2007年10月16日