先日、「モチベーションマジック」というゲーム研修をご体験いただいた方からこんなご指摘をいただきました。
「得意なやり方が1つあれば、それ以外のやり方は必要ないのではないか。2つ目以上のやり方を学ぶのはゲームにするために無理やりつけたように見える。」と。
このご指摘は、その「得意なやり方」が、万能かつどんな場面にでも対応できるやり方であれば、極めて正しいご指摘です。
しかし、研修でよく聞く格言に「金槌しか持っていなければ叩くことしか考えない」というのがあります。本件については、まさにこれと同じことが言えるのではないかと思います。
金槌が使えない、つまり得意なやり方が使えないことがある以上、ゴールにたどり着くための方法を複数持っていることは重要なのです。
話を戻します。気持ちの切り替え方とは、世界をどのように解釈するかの視点であり、同時にものの見方の基準でもあります。ものの見方のレパートリーが少ないということは、世界を解釈するための自由度が低いため、業務遂行の過程で生まれてくる出来事にうまく対処できずに不安を感じやすくなるといわれています。
柱が一本しかない家は脆く、柱が折れてしまったら家は自立できません。ものの見方のレパートリーが多くなれば、こうした仕事で生まれてくる様々な出来事に対処できるようになります。レパートリーを増やすことが有効とされるため、それをゲーム化しているのがモチベーションマジックなのです。
余談となりますが、当社の解決昔話もこうした物の見方の違いによって、問題解決が上手くいかなくなる現象を扱っており、自分が「最良」と判断したものが他者から「最良は他にある」と判断されることが頻発します。
モチベーションマジックや解決昔話では、「自分が正しいと考えるやり方が、他者の目というフィルタを通すことで、濾過され、純度の高いフレームワークへと拡張されるプロセス」を体験できます。
「人の成長とは多面的に物が見られるようになることだ」と言われます。人材育成に携わる以上は、こうした視点は持っておきたいものですね。
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公開日: 2016年10月18日