「経営日誌」をつけてエピソード記憶を積み上げてみよう | ビジネスゲーム研修で人材育成を内製化 | カレイドソリューションズ

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「経営日誌」をつけてエピソード記憶を積み上げてみよう

エピソード記憶という言葉があります。

これは、物語性のある場で生まれるのですが、「場」を大事にする活動をしているのに、物語化というのをあまり丁寧にやってこなかったなぁとふとした時に思いました。

例えば、何かを見立てたものがあったとして、それを見ても、「見立て」があることに気付けない、気付こうとしない層がいる反面、見立てをきちんと理解して世界観に没入できる層もいるわけです。

この違いを感受性の違いで片づけてしまうともったいない。そこで開発中の研修「あかんたぶる」でこの取り組みを実験してみたいと思っています。(協力したいという方は是非教えてください。)

「あかんたぶる」は、零細研修会社を舞台にした経営ゲームです。全部で3年間12四半期の経営活動を行ないます。「零細研修会社の経営を体験するゲームってニーズ・・・ないよね。」をfacebookに書いていますので、フレンドの方はご覧下さい。

どんな風にやるかというと、各四半期ごとに「経営日誌」を3行~5行で記録するというものです。

ざっくり書くと以下のような感じです。※開発中なので、当社のコンテンツ名などが入っていますが、この会社と当社は一切関係がありません(笑)

第1四半期が始まる前の日誌

資本金1000万円で2名の仲間と起業した。サービスもないし、お客さんのニーズも分からない。お金は今は潤沢にあるけどいつまで続くか分からない。まずはサービスを開発しようと思ったけど、僕たちの能力だと、「トナリノココロ」と「ケイエイカイギ」というコンテンツしか作れない。とりあえず、お金が50万円しかかからない「トナリノココロ」を開発して、残ったメンバーは人材採用をしよう。

 

第2四半期が始まる前の日誌

「トナリノココロ」は安価に開発できた。これでサービスを販売できる。採用にも少しお金がかかってけど、1名の人材を採用できた。人材の質的にはビミョーだけど零細だし仕方ない。僕たちの人件費と家賃が固定費だ。固定費は200万円で、その他に70万円かかった。でも、今期からは営業にも回れそうだし、今後の飛躍が楽しみだ。残キャッシュ730万。

 

第3四半期が始まる前の日誌

さて、営業だが大手企業に行くほどサービスも人材の力も足らないので、中小企業に全員で営業に行ってみた。そしたら、トナリノココロだけだときついことが分かった。役員の活躍で3社受注できたけど、総額で350万円程度にしかならなかった。そして、新人はニーズがあっても受注できず、営業コストがかかりすぎるので、営業を断念した。来月は研修に送り込む。次の四半期は雌伏の時。役員は開発にまわり、社員は研修させよう。売上は350万入ってきたけど、固定費が230万に加えて、営業活動に120万かかってしまったので、資金は減らなかったけど毎期営業だけするわけにはいかない。ジリ貧だ。残キャッシュ730万。

 

第4四半期が始まる前の日誌

今期は、役員3名が全員で開発に取り組み、「ケイエイカイギ」を開発する。100万円程度かかるけど、未来への投資だから仕方ない。社員は研修にいかせる。60万円。。。高いけど仕方ない。今期は費用がかかるだけだけど、これで開発済みコンテンツが2つになる。きっとニーズがつかめるはずだ。残キャッシュ340万円。これはまずい。まずいので100万円を借りることにした。毎期10万円の金利がかかるけど仕方ない。残キャッシュ430万円(借入100万円)。

 

第2期が始まる前の日誌

年度末ということで決算があった。1年間頑張ったので役員から給料をあげろという声があった。まだ経営は軌道に乗っているとは言い難い。しかし、役員が離職してしまったら経営は破綻してしまう。ここは少しの昇級なので役員の声に応えて人件費のテーブルをあげることにした。人件費総額は40万円あがることになった。決算は初年度なので、最悪だった。売上350万に対し、販管費が1010万円、支払利息が10万円で、670万円もの赤字を出してしまった。

 

第1四半期が始まる前の日誌

今年は、再び営業を頑張るが、固定費が260万円になっていて、営業に4人行くと120万円程度の固定費がかかるようだ。そうなると先ほど同様に損益分岐ぎりぎりになってしまう。であれば、営業は3名までにして、1名は採用しておいた方が賢明だ。さてさてどうなることやら。

 

第2四半期が始まる前の日誌

成長した社員が受注をとったことと、コンテンツが2つに増えたこともあって、3人で450万の受注が取れた!かつ、採用も優秀な社員を1名、そこそこの社員を2名採用できた。少し知名度も上がってきたのだろうか。今回は、初の黒字!次からは7名体勢、もっと早く採用をしておけば良かった。費用は、固定費が270万円に採用と営業に120万円で60万の黒字!でも次のこともあるので、少し借入れして20万円を利息で払った。残キャッシュ570万。いい感じだ。

 

第3四半期が始まる前の日誌

なんてこった。中小企業のニーズが枯渇しつつある。マーケティングに人員を割かないと営業に行っても提供できない案件ばかりだったので、2名をマーケティングに回した。あと、社員が7名に増えたことで、うまく仕事が回らなくなってきた。役員を1名バックオフィスに回した。彼の前線からの離脱は辛いが仕方ない。4名で営業にいったのだが、うまくいかない。市場にまだ案件が足らない。売上600万円に対し、固定費400万営業とマーケと営業に160万円かかり、借入をして利息が30万。10万円の利益だ。黒字だがマーケティングよりも大手に営業に行く方が効率が良い気がする。次は大手と中小に人を分け、大手に役員を投入してみよう。残キャッシュ680万。

 

第4四半期が始まる前の日誌

悲惨な結果だった。大手の営業に行くにはまだまだ僕たちの能力が足りない。コンテンツはそれなりに満たせているが、同じものを売るにも営業力が足らない。役員にも研修を受けさせる必要がある。マーケティングをしたので、中小からは200万の売上、大手からはぎりぎり1社受注でき400万の売上がとれたが、大手の営業に多額の費用がかかってしまった。600万の売上に固定費400万とマーケ&営業に200万かかってしまった。今期は借入れはしなかったが、利払いがあるので、第3四半期は30万の赤字だ。残念。残キャッシュ650万円。

 

第3期が始まる前の日誌

ここまでに積み上げた利益はわずか40万円だった。しかし、役員の能力不足があり、2名の役員を研修にいかせ、うちのエース1名を採用に振り分け、社員2名を中小の営業に1名をマーケに配置した。結果は厳しい。社員2名での売上は300万円。採用は2名採用できたものの人材の質は芳しくなかった。そんな9名体制の中で春闘が起こった。ここで春闘に応じると、来期の固定費は500万円になってしまう。ここで賃上げを拒否したところ、うちのエースが卒業することになってしまった。そして、第4四半期の利益は借入をしたので、マイナス240万円。残キャッシュは510万円。第2期の経営成績はマイナス200万円だ。第一四半期と合わせて利益剰余金がマイナス870万円。ここからいかに経営を盛り上げるかは成長した役員の手腕にかかっている。

 
と、こんな感じで第3期を迎えて行く訳なんですが、自分でストーリーを書いていくという活動を通じて、ゲームの活動が現実の活動に結構紐付くように思います。ここからは、更に上の商品開発をして人材を育てて大きな融資を受けて大手の受注に突き進んでいくことになると思いますが、ここまでのやり方をみていると、人材育成が遅れていて、次の開発に遅れがでていて、その原因が序盤に人をとっていないことだなとか、外から見ていると色々と分かるわけです。

これに対して、「説明責任」を果たしてもらうのが「あかんたぶる」で、それを活かす振り返りツールとして、この「経営日誌」という仕組みを導入してみようかなと。こんなアウトプットがあると時間はかかるけど終わったあとに記録と記憶が残りやすくなるような気がします。

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