財務を学ぶとコミュ力があがる? | ビジネスゲーム研修で人材育成を内製化 | カレイドソリューションズ

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財務を学ぶとコミュ力があがる?

財務研修を提供していると、いつもぶつかる壁が「なぜ」財務を勉強するかです。

財務を勉強しても活用できる場がないという参加者がほとんどの中で、なぜ財務を勉強するのでしょうか。「知らないよりも知っていた方が良い」とか「教養」という理由で学ぶのもありだとは思います。

ただ、このご時世、「実務に役立つか」「成果はでるのか」という問いに答えてほしい人材育成担当者も多いです。

財務研修の導入理由には、以下のようなパターンがあるようです。

     

  1. 会計を活用する前段階として
  2. 財務会計がわからないと管理会計がわからないから、管理会計の前段階として財務会計を学習する。
     

  3. 【営業限定】ソリューション提供のための視点付与として
  4. ソリューション提供や与信管理のために、顧客の財務状況を理解する必要がある。このためには、財務諸表を読める(=分析する)力を養う必要がある。
     

  5. 経営感覚の醸成として
  6. 経営感覚を養ってもらう。稲森和夫氏は「会計がわからずに経営ができるか」といっています。経営感覚を醸成するために、会計の学習を通じて、経営感覚を持つことが重要なのです。
     
     

でも、以上のような導入理由は、ありだとは思いますが、様々な反論があるために、研修を継続的に提供する正統性がない気がしています。(このため、多くの企業で財務研修はコスト削減の圧力にさらされています。)

例えば、1は回りくどすぎるので、管理会計と合わせて一度でやりたいたいという声がでることが多く、やってみた結果、難易度の高さから混乱しがちです。2は難しすぎたり、実際はそこまでのスキルは求められていなかったりします。3は即効性がなかったり・・・と反論が色々とあるようです。

ただ、私は財務を学んで本当に良かったと思っています。それは財務研修は「相手の気持ちになって考える」ためのコミュニケーション研修という側面もあるからです。

「えっ」と思われる方もいると思いますので、私自身のエピソードを紹介します。

私は元々営業中心のキャリアを歩んできています。会社を創業してから、経営を行う傍ら、営業を受ける場面も増えてきました。その中で、表現は悪いですが、数々のビミョーな営業に出会います。彼らに欠けているのは、「顧客志向」に他なりません。顧客志向は顧客に阿ることではありません。顧客の考えを知ることであり、相手の立場に立つことであり、就職活動でも交渉場面でもあらゆる場面で必要なコミュニケーションスキルです。

彼らは営業にやってきて、自社商品の紹介に終始します。例えば、記事広告2ページ40万円ですというような売り込みをします。逆に、「この広告を出せば、n%が問い合せにつながり、n%で受注できたとしたら、御社の客単価だと●●円の売上があがるから、40万円以上の投資対効果があります」という説明をする人はまずいません。もちろん保証できないのは分かります。過去の事例は将来を保証しないですし、ばらつきがあることも分かるのですが、ばらつきには範囲がありますので、ある程度効果が見える気もするのです。

私も含め、経営者が考えているのは、「儲かりますか、資金面は大丈夫か、資産は活用できるか」のビジネスとして当たり前のことばかりです。

経営者に限らず、会社で働いている人は全員ビジネスパーソンです。「ビジネス」をしている以上、上記のような視点は大切です。ところが、「ビジネス」の視点を持つ営業は10%以下というのが実感値です。(※もちろん、当社が零細企業なため、良い営業マンがアテンドされていないからかもしれません。)

だからこそ、財務の視点を持っていることが職種に限らず価値につながります。販売がわかりやすいですが、売り込まれる側もこういう感覚がないとだまされてしまいます。

昨今、自分が売り手になったり、買い手になったりする場面は一般の会社員でも増えてくると思います。そういうときに、「ビジネス感覚」で会話ができないと、「感情」とか、「価値観」とか、「これまでやってきたという伝統」とかで決めてしまいがちです。

これはサミシイですよね。なので、コミュニケーションツールとして財務を勉強してみるというのはありだと思うのです。

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