先日、JR中央線阿佐ヶ谷駅前にある「豚八戒」という餃子屋さんにいきました。
座席の少ないこじんまりとしたアットホームな雰囲気のお店です。何気なく、5種類あるという餃子のうち、一つを食べてみたのですが、あまりの美味しさに驚きました。
私は結構料理が好きで、お店に行くと、つい「これって家で作れるなぁ」と考えてしまうことがあります。
ところが、今回、この餃子を食べた瞬間に、「これは真似が不可能だ。真似しようと考えることそれ自体が、料理人に失礼だ。この天才性を称えたい。」という感情が頭に降りてきました。こんな経験は初めてで、いろいろと考えさせられることがありました。
よくよく考えてみれば、料理って、実はとてもクリエイティブな仕事で、料理人は日夜頭を使って必死に工夫をしているんです。ただ、料理というとあまりに身近で、それに対する工夫へ敬意を払うことなんて考えてもみませんでした。
文化として、真似ることが許されているのが料理だと思うのですが、圧倒的な実力の前には、真似という行為が無力だと感じたのです。
私の作るコンテンツなども、ある意味コロンブスの卵です。
そういう性質があるものなので、できあがったものをみて、「材料費数万円でできちゃうよね」とか「簡単にまねできるから自前でやります。」とか面と向かっていわれることがあり、本当に日々心を痛めているのですが、今回、このお店で食べたことで一つこころの靄がはれたような気分になりました。
「真似したら失礼だ」と思われるくらいに天才性(と自分でいうのもあれですが)があるものを作れば、私が今回感じたように感じてくれる人もいるんだろうなと。
まだまだその高みにはほど遠いのですが、日々上を目指してがんばっていきたい、そう感じさせられた餃子でした。
公開日: 2010年2月24日