与信管理ゲーム「ヨシノミクス」の発掘【温故知新PJT】 | ゲーム研修で人材育成を内製化 | カレイドソリューションズ

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与信管理ゲーム「ヨシノミクス」の発掘【温故知新PJT】

2010年に、与信管理をテーマにしたビジネスゲーム「ヨシノミクス」をリリースし、その後しばらくの間、正式な商品として提供していました。与信管理は、専門の業者様が多い分野ですが、少々固い内容になりがちで、研修でもっとも大切な「なぜ与信管理をする必要があるのか」という理由に関しては動機づけが手薄というのが実態です。

また、コロナ以降、倒産が増加傾向にあります。このため、与信管理の重要性は高まっておりますが、与信管理のやり方などの手段については多くの教育手法がある中で、与信管理を行う理由の部分にアプローチする方法は多くありませんでした。

先日書いた理由により、かつて「短時間研修」と考えたものは提供を停止していましたが、この度改めて公式ラインナップとして提供を再開します。以下が仕様ですが、仕様の後ろに、開発に関するメモを記載します。

  • 所要時間:1時間弱(ルール説明5分、ゲーム実施15分×3回)
  • 実施可能人数:2名~3名/1キット。複数キットを活用することで、何名でもご利用頂けます。
  • 対象とする顧客:メーカー・商社など原価率の高いビジネスを営み、与信管理の重要性の高い企業様
  • 内容:営業職として、売上と与信管理の選択を行います。与信管理をせず、「破綻」カードを引いてしまうと、売上の回収ができず、現金の減少を引き起こします。業態はサービス業、商社、メーカーと3つの業態を体験し、業態の違いや、案件規模の違いによって、与信管理がどの程度経営にインパクトがあるかを学ぶことが可能です。

私が、商社で勤めていた頃、取引を行おうと思うと、まずは与信管理。これが常識でした。ところが、その後、研修会社に転職した際に、取引開始時に与信管理を総務に依頼したところ、鼻で笑われたんですね。当時は憮然としましたが、それには理由がありました。みなさんは、この理由が分かるでしょうか。

それは商社とサービス業の利益率の違いにあります。商社は、総合商社のような素材の取引であれば、粗利率が数パーセント、時には粗利率がマイナスということもあります。これは裏を返すと、ほとんどが原価ということです。私のいた商社は機械系でしたので、そこまででもないですが、やはり粗利率はさほど高くなかったと記憶をしています。一方、サービス業は逆です。原価は低く、粗利率が大きいビジネスです。

粗利率が小さいビジネスでは、取引先が倒産した場合、その分の原価を支払わねばならず、その額を粗利から取り戻すのは容易ではありません。なので、与信管理をします。一方、粗率が大きいビジネスでは、取引先が倒産しても「もう一社受注すればいっか」という感覚なのです。

この感覚の違いをゲームにしたものが「ヨシノミクス」です。商社・メーカー・サービス業の設定で簡単なゲームをします。ゲーム内容はシンプルです。目の前の案件を取るか、取らずに与信管理をするかです。与信管理をする場合、その前の案件は守られます。しかし、与信管理をせずに「倒産」イベントが発生してしまうとその案件の売上が全部失われてしまいます。このゲームでのやり取りをワークシートに落とし込むと、利益がでた、でなかったが結果に表れます。これを振り返ることで、与信管理が「自分の業態の場合は必要だ」というのが腑に落ちるのです。

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