学びの最小公倍数化とアイデアメーション | ビジネスゲーム研修で人材育成を内製化 | カレイドソリューションズ

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学びの最小公倍数化とアイデアメーション

学びの最小公倍数化のためのマンダラート

私は、「学びの最小公倍数化」という表現をよく使います。学びの最小公倍数化は、各自が出力した学びを共有することでなされます。これを行うことで、他者の学びを自分のものにすることができます。

この学びの最小公倍数化を実現するために、「マンダラート」という手法を研修の振り返りで使っています。この手法は、3×3の9マスの中央にお題を書き、残りの8マスにそのお題に関連することを書く手法です。研修では、「気づき」をテーマに8個書きます。

本当に学べていないとき、アンケートの自由記入欄には空疎な記述が

これをすると何が良いかというと、まず、アンケートの結果に大きく影響がでます。研修担当者であれば、誰もが研修のアンケートの自由記入欄に「特になし」とかが書かれていたり、「学んだこと:財務知識が知れてよかった」とか書いてあって、がっかりした経験があると思います。

これは、実に、本当に学べていない場合に起こる現象だと考えています。(ここ重要です。)

マンダラートはアイデアメーションから一歩先へ手を伸ばさせるためのツール

マンダラートは、研修の振り返りの場面で「考える場」を提供します。初めの4つくらいのマスは少し考えればささっとかけてしまいます。この4つは大抵、大半の人が同じようなことを書きます。そう、研修担当が書いてほしいようなことが書かれます。

これを「アイデアメーション」というらしいです。手の届きやすいところに良いものは落ちていないのですね。

さて、残りはどうかというと、そう簡単にはいきません。うんうんうなりながら書くことになります。つい、書けないと「時間もないので次に行きましょう」と言いたくなってしまうのですが、そこでもう数分我慢します。そうすると、「あれ?これって大事だよね」というようなその人独自の気づきがでてきます。

その後、マンダラートの回読もしくは発表をします。回読は時間の足らない場合、発表は時間のある時にやります。これをすると、「他者の気づき」が自分の中に入ってきます。そして、他者の気づきを聞くと、「あれ?そういわれれば、こんなこともあるよね」という「新たな気づき」が生まれます。

これをテーブルを変えたりしながら数回行います。時間はかかりますが、かなり学びがあるようで、行動計画やアンケートの記述内容にかなり差があるように思います。

余談:答えを示すとアンケート結果が悪くなる

もう一つ面白いことを。このように最小公倍数化を行ったあとで、最大公約数を落としどころとして解説した場合、どのようなことが起こるか。

2年間の比較で、アンケート結果が4.6から4.2に下がりました。仮説ですが、最大公約数を示されたりすると、「陳腐な学び」「無理に落とし込まれた」と感じる人が増加するのかもしれません。この部分は非常に興味深いので、今後継続的に考えていきたいと思っています。

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