こんにちは、インターンの山口です。
今回のメンバーコラムのテーマは「関係構築」です。
「コミュニケーション」を考える上で、スキルとして「どうやって言うか」や「どのように聴くか」が考えられます。しかし、それらの前段に位置するのは、「何を言うか」と「誰が言うか」です。
皆喋るのが下手なわけじゃないのに職場でコミュニケーションが生まれない・・・
同じことを言っているのに、言う人が違うと受け止められ方が全然違う・・・
といったお悩みはありませんでしょうか?
これらは、「何を言うか」「誰が言うか」にまつわる話です。
人と親密になるためのメカニズム
何度かコラムやメルマガでご紹介していますが、社会心理学者のフェスティンガーは「人と親密になる上での3要件」を以下のように説明しています。
- 熟知性(よく知っていること)
- 類似性(似ていること)
- 近接性(よく接点があること)
関係構築を行うには、コミュニケーション能力の手前にある、これらの3要件を満たしていくことが必要です。コミュニケーションは、既存の関係をより豊かにするものであり、関係が薄いところにはその効果も薄いからです。
自己開示
3要件のうち、熟知性・類似性は「自己開示」でお互いを知り、時に似ている部分を見つけることで「相互理解」に到達することでなしえます。
ただし、自己開示は場の設定がなかったり、個人の性格(例: シャイであること)によっては難しいこともあります。自己開示は雑談の中で自然に行われることが多いです。しかし、日本の職場環境では雑談が少ないこともあり、その結果、自己開示の機会が減少し、関係構築が難しくなることがあるのです。また、昨今ではオンラインで直接的に業務で関係する人以外のコミュニケーションがないということもあるでしょう。
逆に、ずっと一緒に仕事をしていても特に仲の良い関係でなかった2人が飲み会等を通じて急に仲良くなることがよくあります。この現象はこの熟知性・類似性が満たされたことによるものだと考えることができます。
自己開示を行うための組織開発的なアプローチ
会社が従業員に対して、自己開示を促そうと思った場合のアプローチとしては、
- 自己紹介等の自己開示の機会をイベントとして設ける(場の設定)
- 会議等で一定の時間を雑談に充てることをルール化する(ルールの設定)
- 「雑談力」を教育し、職場の雑談を改善する(スキルの開発)
といったものが考えられます。
自己開示の方法として、「自己紹介」は最も手っ取り早く即効性のある方法です。名前やエピソード等を知ることで、熟知性・類似性が満たされ関係構築につながります。関係が構築された人がいう言葉はよく届くのではないでしょうか。これが 「誰が言うか」の話です。例えば、仲の良くない人のいうことは聴く気にならないが、仲の良い人のいうことはすっと入ってくる。そうしたことの前提には、相互理解があります。
なお、参加者の自己紹介の中での自己開示の度合いのバラつきであったり、聴く側に興味をどのように持たせるか、という点に工夫が必要です。
次に、「何を言うか」にアプローチする方向性としては、最後に挙げた「雑談力」向上が考えられます。どのような話題がよいのか、どのように相手の話を引き出すか、といった知識やスキルがあれば、勤務内の短い時間でも「自己開示」できます。
おわりに
関係構築において「何を言うか」と「誰が言うか」が重要であることがわかりました。
「何を言うか」として自己開示が大切であり、自己開示の機会を職場で作るには、
- 自己紹介等の自己開示の機会をイベントとして設ける
- 会議等で一定の時間を雑談に充てることをルール化する
- 「雑談力」を教育し、職場での雑談を改善する
といった方法がありました。
そして、自己開示によって関係が構築され、そうした人同士はより仲良くなれるでしょう。。
私自身、軽んじがちだった自己紹介ですが、自己開示について知ったことをきっかけにおろそかにしないようにしております。この話をするだけでももしかしたら効果があるかもしれませんね!
弊社でも自己紹介等で活用できるクイズアプリであったり、雑談力をトレーニングできるゲーム研修を提供しております。ご興味ありましたら以下の関連リンクの記事より詳細をご覧いただけます。
また、冒頭のフェスティンガーの3要件と職場での関係構築に関しては関連リンクのウェビナーで詳細に解説しておりますので、ご興味ありましたらリンクよりお申し込みください。今回は主に3要件のうち、「熟知性・類似性」にアプローチする関係構築の方法をご紹介しましたが、別のコラムで「近接性」にアプローチする方法もご紹介できればと思っております。
関連リンク
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公開日: 2023年8月18日