”プレイングマネジャー”という言葉に違和感を感じています。
そもそもプレイングマネジャーって何者なのでしょう。私は外から見れば典型的な「プレイングマネジャー」だと思うのですが、オフィスにいて部下と接しているときは「マネジャー」で、人の「マネジメント」をしています。一方、客先訪問をしているときは「プレイヤー」で「プレイング」しているんですね。プレイングとマネジメントを同時に行っている時間は0分です。
結局のところ、プレイングマネジャーとは、プレイヤーであるのと同時にマネジャーでもある二足のわらじを履いた人物です。繰り返しますが、部下と接するときはマネジャーで、例えば客先と接するときはプレイヤーなのです。プレイヤーの時間とマネジャーの時間があるわけです。プレイングマネジメントというのがあるわけではないんです。
ただ、このところ、まるでプレイングマネジメントというものが存在していて、それに対する処方箋めいたものがあるように誤認するようなものを目にしました。
私は、新規事業をリリースしたこともあって、この2ヶ月は完全にプレイヤーをしています。週に15件以上訪問がある週などは営業時間の全てを外で過ごします。このプレイヤーに「面談の頻度を増やしましょう」「メールや電話での指導はよくないから対面の時間を増やしましょう」という指導は意味をなしません。実現不可能だからです。
私は社内にいるときは、「面談の頻度を増やしましょう」「メールや電話での指導はよくないから対面の時間を増やしましょう」についてはわかっていて、できる限りやっているつもりです。
こうしたプレイングマネジャーと呼ばれる人に対して行う特別な研修があるようです。ただ、私はプレイングマネジャーに行う指導は、特別なものである必要はないと思っています。まず、プレイヤーの時間に成果をだせるようにプレイヤーとしての指導をし、マネジャーの時間に成果を出せるようにマネジャーとしての指導を行うだけでよいのです。
プレイングマネジャーにするべき指導がもしあるとするのであれば、私は2つかなと思います。まず、プレイヤーの時間とマネジャーの時間のバランスをそのときどきのプライオリティに応じて定め、プレイヤーにバランスが偏っているのであれば、マネジメントを時短する方策を考え、マネジャーにバランスが偏っているのであれば、プレイングの時間を時短する方法を考えることだけです(多くの場合、前者かとは思いますが)。もう一つは、プレイヤーモードとマネジメントモードを迅速に切り替える訓練かなと思います。
プレイングマネジャーという言葉が独り歩きすると、プレイングマネジメントというのがあるように見えてきますが、それはないのではないかなぁというお話でした。
公開日: 2017年11月30日