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「えっ、それもできないの」意外と厳しい著作権とリスクを避ける方法

先日、高橋が個人的な悩みとして知財に言及する内容のコラムを書きました。

もしかしたら、著作権の問題を解決した方法がどのようなものかわからないという方もいるかもしれません。なので、今回は著作権についてざっくり説明した上でやり方について書きたいと思っています。

結論から申し上げると、当社は「クラウドストレージ」を用いて、スライドを共有するようにいたしました。その前提と内容について順に書いていきます。

●研修のコンプラリスクが意外に高い!?

当社の研修は全て著作物だと考えており、その旨に契約で同意いただいてからご購入いただいております。なので、当社の研修が著作物であるというところでは問題が起こったことはないのですが、著作権に関するリテラシーによって、解釈が分かれるところもあり、研修担当者がコンプライアンスのリスクを抱えることになっていました。

当社の事例に限らず、いくつか研修で起こりがちな誤解をあげます。

  • 研修で著作者に許可をとらずにyoutubeの動画や音楽を流してよい
  • 自社の研修では自社フォーマットを使う社内ルールなので、他社の著作物にも自社のコピーライトをつけてよい
  • 出典を書いておけば他社のスライドは自由に使える
  • お金を払えば他社のスライドの文言に改変を加えてよい
  • 他社のセミナーにお金を払って参加したので、そのスクリーンショットを自社のスライドに貼り付けて使ってもよい
  • お金を払ったものなので、他社の研修資料を契約外の別な研修で使用してもよい
  • 研修参加者にスライド資料を配布してもよい
  • 研修の様子を撮影した写真や動画を社内報に載せたり、欠席者用の資料にしても良い
  • 研修で使うのは商用ではないので自由につかえる

こういった誤解はかなり多く、特に「いいな」と思ったら使いたくなるものですが、大半のものに著作者の許諾が必要です。契約書に「著作権を遵守する」と書いても、その法律がわからなければ抑止効果はありません。上記だと、著作権で定められた権利のうち、複製権・公衆送信権・同一性保持権あたりと触れることになるのですが、それらをご存知の方は多いとはいえないのが実際です。無意識でもそれが起こりがちなのは事実ですので、提供者側の当社も「罪人作らず」の姿勢で工夫する必要があります。

●クラウドストレージで共有する3つの方法

当社が新型コロナの状況下でポストコロナを見据えつつ、適切な知財保護をしながら研修内製化サービスを継続しようと考えた結果、「クラウドストレージ」を利用してスライドを共有することになりました。

スライド共有だけであればslideshareがイメージされるかと思いますが、slideshareは最近までlinkedIn傘下でSNS扱いでしたので、閲覧できない会社も多く、現実的でありませんでした。このため、当社では利用している企業が多い以下3つのサービスを利用することに決定しました。

  • Microsoft SharePoint
  • Google Workplace(旧G Suite)
  • Dropbox

それぞれ特性が異なりますが、いずれもファイルはダウンロードできず利用期間の指定ができるようになっています。また、アカウントや特別な契約がなくてもアクセスさえ禁じられていなければ閲覧やスライドショーができるようになっています。

上述の問題の大半は加工できてしまうことによるもので、そしてその原因として「ファイルがダウンロードできること」と「永続的に使えること」が原因で発生しているところもあります。なので、クラウドストレージの機能によって抑止をかけました。

ともなって、ファイルを自由に加工できず、事前に著作者である当社の側で編集するため多少利便性は下がりますが、お客さま側の法令遵守のためにも必要なことですので、この提供形態で研修を提供するようになります。

各クラウドストレージの使用方法などの手順はまとめて作成してありますので、ご契約をすすめる際にお渡しします。最も適切なクラウドストレージを選んでいただけるようになっております。

なお、買取型のものについては、当初予定していなかった付帯的サービスとして、ファイルをプラットフォーム上で提供する運用を行っておりますが、こちらも徐々にダウンロードは廃止し、利用期間は定めない所有から利用へと変化していく予定です。

かつて講義型研修の提供を止めた当社がなぜ今提供を再開するのか?

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