エントリを書くときには、できるだけ「ポジティブ表現」で書きたいと心がけています。なので、このエントリのタイトルは、普段であれば「よく考えられているビジネスゲーム」と書きたいところですが、今回は「あえて」ネガティブ表現を使って書きました。
ビジネスゲームは、一つの見方として「気づき」のツールと位置づけられます。しかし、「気づきのツールなので、何に気づくかはわかりません。自分たちで意味は考えるのです。」では、そのビジネスゲームは売れません。
このため、販売のために「目的」を設定する場合が多いです。下世話な話ですが、こうしないと企業さんの稟議を通らなかったりします。なので、方便として目的を設定するのです。
当社は、「特徴のないゲームは作らない、特徴的なものだけを作る」ことを制約としています(例外:シンセサイザー)ので、ここにはあまり苦労しないのですが、外を見渡すと、以下を特徴としているゲームが多いように思います。
- 視座が上がる
- 協働
- 利益感覚
- PDCA
- 楽しい
がそれです。
ビジネスゲームというのは、ビジネスをテーマにしていて、通常自分が普段経験できない一歩以上上の立場を演じます。そして、制約があるので、チーム対抗になり、そこはチームですから当然協働が生まれます。また、ビジネスの目的は利益であることが多いですから、利益感覚が学べると言いたくなってしまいます。また、ゲームは、作戦・実行・振り返りをくり返すのですから、PDCAも学びのポイントになります。また、当然ゲームですから普通につくれば楽しくなります。
この5つのうち3つ以上が前面に出ているビジネスゲームは2つのパターンのどちらかです。
- よく考えられていない。
- 数々のゲームを作ってきて、ベーシックに立ち戻った。(当社のシンセサイザーはこれです。)
後者であればよいのですが、これまで多くの方から販売してほしいと持ち込まれたビジネスゲームを見ると、残念ながら前者が多いように感じます。
製作者のどや顔を見るとあまり全面的に否定もできないですし、頑張った制作物ですので、批判するつもりもそれを変えようというつもりもないのですが、そのようなものを拝見すると、自社を振り返り、「少なくとも、自社のコンテンツは考えられているものを作り続けたい」と考えさせられます。
公開日: 2012年4月8日