先日、お客さまとお話をしている中で参加者の質にあわせて研修が少し変質したなと思う会話がありました。
そのお客さまは、研修の内製化を推進しているのですが、かつては研修会社に多くの研修を外注していたとのことでした。
なぜ、研修を内製に切り替えたのか?
先日「研修内製化への警鐘」にも書きましたが、研修の内製化はコスト削減と思われがちです。しかし、必ずしもコスト削減だけでなく、継続性も意識されてきています。この点ては認識していましたが、必ずしもそれだけではないことがわかりました。この観点は新しかったので、このコラムで共有したいと思います。
それは、「外注先が提供する研修の古くささに運営側も参加者も耐えられなくなった」ということです。多くの講師は自分の知識の豊富さや経験の豊かさを、彼らの時代背景を前提として語るため、コンテクストが共有できなくなったというのです。
少しかみ砕いて説明すると、
- 難しいことを難しく語る
→今の若手社員は難しいと感じた時点で心を閉ざす - 事例が古い
→例えば講師が思う「偉大な経営者」を偉大として認識していない参加者が大半 - 押しつけがましい
→難しく話しているために理解されず、それを参加者の責任としたり、「理解しろ!」というスタンスが参加者ニーズにあっていない
などです。
上記の事例について、学生に聞いたところ、有名な経営者としてあがるのは楽天やワタミ、ユニクロ、ソフトバンクの経営者や外国人の経営者がほとんど。日本を築いた偉大な経営者はどういう印象かと問うと、現役でない人や故人や歴史の人も入れて良いかと逆に聞かれてしまいました。驚きです。
私もテストプレイや研修で若手に講義をする場面があるのですが、スラムダンクやドラゴンボールで例をあげても、最近は通じなくなってきています。(年齢を感じます。。。)
このような話を研修会社に伝え、改善を要望しても、アウトプットが固いものしか出てこないことが悩みで。こうした点を背景に、内製し、わかりやすく面白いコンテンツで短時間で学習を進めたいと考えているようです。
このお話を伺って、研修数が減っていないのに、研修予算が減り、研修業界が壊滅的な打撃を受けたと言われる理由がうっすらとわかりました。やり方を変えることで研修業界を変えることができるのではないか、こういう時期だからこそ変われた会社にチャンスがあるのではないかなど、変化への対応の大切さを強く感じます。
カテゴリー: コラム総合 ,代表コラム ,当社の経営を考える ,研修
公開日: 2010年7月6日